メールマガジン No.83(2018年1月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.83(2018年 1月号)  2018/ 1/24

□□目次□□

1.広島大学公開講座「「ことば」を科学する」レポート
2.リテラ「21世紀の人文学講座」を終えて
3.文学研究科(文学部)ニュース
4.広報・社会連携委員会より

1.広島大学公開講座「「ことば」を科学する」レポート【欧米文学語学・言語学教授 今田良信】

   文学研究科の公開講座(全6回)は、第1・2回:11月11日(土)、第3・4回:11月18日(土)、第5・6回:12月16日(土)という日程で、各回90分、計6名の教員(担当順に、今田良信・今道晴彦・高永茂・上野貴史・佐藤道雄・深見兼孝〔国際センター〕)により、「「ことば」を科学する」という講座タイトルで行われました。54名の参加がありました。

   筆者は第1回の担当でした。会場はほぼ満席、見たところ年齢層は50代以上の方々が多く、ご夫婦で参加されている方も目に付きました。トップバッターでもあり、受講者の年齢層、興味の所在、言語や言語学という学問分野への理解度などが様々であろうと予想される中、少々緊張気味でスタートしました。最初に筆者が、常々人文学の要諦と考えている「できるだけ皆さんが楽しい、面白いと思っていただけるように心掛けてお話したい」と発したのが功を奏したのか、最後まで終始穏やかな雰囲気で、かつ真剣にご清聴いただき、終わった後に拍手までいただきました。

   講座全体についての「受講者アンケート」を見ても、受講動機や目的は、「新しい知識や考え方を学ぶ」(41.0%)、「学ぶことや向上することが楽しい」(31.1%)、「心の張りや生きがいを見出す」(9.8%)、「以前学んだことを学びなおしたい」(8.2%)などと様々でしたが、講師の話し方や説明については89.3%の方が「とても~どちらかといえば分かり易い」、講座の満足度については88.9%の方が「満足・ある程度満足」との回答であり、とても好評な講座でした。

広島大学公開講座

第1回担当の今田良信教授(筆者)
ー演題:フランス語を科学するー

広島大学公開講座

第2回担当の今道晴彦准教授
ー演題:ドイツ語を科学するー

2.リテラ「21世紀の人文学講座」を終えて【広報・社会連携委員会 高永茂】

   昨年12月2日(土)に「ひと・まちプラザ」(広島市中区袋町)を会場として、2017年度リテラ「21世紀の人文学講座」を開催しました。当日は90名の参加がありました。今年度の講座のテーマは「日本と中国、何が同じで何が違うのか」でした。金子肇先生(東洋史学)と勝部眞人先生(日本史学)に講師をお願いしました。

  金子先生の演題は「中国の歴史的個性―政治と社会の仕組みから見えてくるもの―」で、中国の統治機構や相互扶助、社会的ネットワークの特徴を分析しながら、中国の文化がもつ歴史的特性とその社会的影響をお話いただきました。中国は均分相続社会であり「富は三代続かず、貧も三代続かず」と言われることなど興味深い指摘がありました。

  勝部先生には「日本社会の深淵―イエとムラがもたらしたもの―」という演題のもと、日中両国の間に見られる人間関係のあり方や行動パターンの違いを考えるときに、イエの継承や村落社会のあり様が重要な要因になっているということをお話いただきました。日本では中世までは男女均分相続であったけれども、その後に男子単独相続に変わったため独特のイエ制度が生まれたことなどが説明されました。

  講演の後に質問の時間を設けましたが、その際に参加者から多数の質問と意見が寄せられ、活発な質疑応答がありました。皆さんの関心の高さを感じました。2018年度も12月にこの講座を開催する予定です。

 

21世紀の人文学講座

金子肇教授
演題:中国の歴史的個性ー政治と社会の仕組みから見えてくるもの―

21世紀の人文学講座

勝部眞人教授
演題:日本社会の深淵―イエとムラがもたらしたもの―

21世紀の人文学講座

公開講座を終えて記念撮影(右端:筆者)

5.文学研究科(文学部)ニュース

○読売新聞社賞おめでとうございます〜東京五輪「安全安心な開催のための対策」 優秀賞

  文学研究科博士課程前期2年の渡橋恭子(おりはし・のりこ)さんが、公益財団法人・公共政策調査会と警察大学校警察政策研究センターが募集した「オリンピック・パラリンピック東京大会の安全安心な開催のための対策を考える」をテーマとした懸賞論文で、みごとに優秀賞を受賞しました。

詳しくは、文学研究科HPをご覧くださ。

○『2018リテラコンサート 広島交響楽団金管五重奏』を開催します

【日時】2018年2月4日(日)13:30開場 14:00開演
【場所】広島大学サタケメモリアルホール

 ※入場無料

【プログラム】
第一部:次郎丸太鼓
   練り込み囃子
   津波
   宴
   次郎丸太鼓

第二部:広島交響楽団金管五重奏   
     序奏とアレグロ (酒井格)
     空想・夢・おもちゃ (ファーナビー)
     ミュージック・ホール組曲   (ホロヴィッツ)

第三部:広島交響楽団金管五重奏
     ある日の草競馬(ユーバー)
     映画「メリー・ポピンズ」~スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(シャーマン)
     「美女と野獣」~ビー・アワー・ゲスト(メンケン)
     新旧ドラえもんメドレー(菊地俊輔・黒須克彦)
     映画「ピノキオ」~星に願いを(トランペットソロ)(ハーライン)
     セインツハレルヤ(ヘンデル)
     ラテンdeジブリ (木村弓・久石譲)

○今年度退職される先生方の最終講義の予定です

岡橋秀典教授(地理学)2月13日(火)10:30〜12:00 B204講義室
松井富美男教授(倫理学)2月17日(土) 15:00〜 B104講義室
三浦正幸教授(文化財学)3月3日(土)14:00〜 B204講義室
新田玲子教授(アメリカ文学)3月20日(火)15:00〜16:30 B204講義室

○平成28年度広島大学学位記授与式(卒業式)を開催します

【日時】平成29年3月23日(木)11時開式(12時頃終了予定)
【場所】東広島運動公園体育館(アクアパーク)
(住所:東広島市西条町田口67-1、TEL:082-425-2525)

 

6.広報・社会連携委員会より【広報・社会連携委員会委員  川島優子】

   大雪の中でこの編集後記を書いています。寒さが大の苦手である私にとって、今年の冬、特に西条の冬はたいへん厳しいものとなっております。広島市内から電車で通勤しているのですが、瀬野を過ぎたあたりで、見えない境界線があるかのようにぐっと気温が下がり、景色が変わるのを感じます。この寒さ(辛さ)、もうしばらく続きそうです。

  今回は、「広島大学公開講座」「リテラ『21世紀の人文学講座』」と、市民講座の記事が並びました。以前、私が担当した市民講座で唐代の白楽天の詩を読んだ際、受講者の中に涙をぬぐわれた方がいらっしゃいました。私にとっては感動の対象でなくなってしまっていた(研究対象としての)中国の古典が、時空を超えて、現代の日本に生きる人間の心を強く揺さぶる瞬間でした。白楽天の凄さ、文学の力に、改めて気づかされた気がしました。こうした講座を通して、われわれ講師の側が教えられることも多々あるものです。来年度も多くの方々に参加していただければと思います。

  さて、2月4日には広報委員会で準備を進めてまいりました「2018リテラコンサート」が開催されます。今回は地元東広島の「次郎丸太鼓」、そして「広島交響楽団金管五重奏」による演奏が行われます。「子どもから大人まで楽しめる」をコンセプトに、皆さんに楽しんでいただけるプログラムになっておりますので、ぜひご期待ください。

 

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オーナー:広島大学大学院文学研究科長  久保田 啓一
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発行:広報・社会連携委員会

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