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第150回芥川賞を広島大学文学部卒業の小山田浩子さんが受賞されました



広島大学文学部日本文学語学講座卒業生の小山田浩子さん(30)が第150回芥川賞を受賞されました。
受賞作品は、新潮2013年9月号に掲載の「穴」です。
誠におめでとうございます。今後ますますのご活躍をお祈り致します。
【文学研究科長 勝部眞人教授からのコメント】

このたびは小山田浩子さんの芥川賞ご受賞、本当におめでとうございます。

広島大学文学部を卒業して作家活動を始められてから、新潮新人賞・織田作之助賞を受賞され、さらに今回の芥川賞受賞に至りました。

実にめざましいご活躍で、後輩の学生にも大きな刺激になったことでしょう。

「夢を実現する」というのは簡単なことではありませんが、弛まぬ努力で実現されましたこと、私たちも真に誇りとするところです。

今後のますますのご活躍をお祈りしますとともに、後輩たちもそれぞれの「夢を実現」できるよう教職員ともども頑張っていきたいと思います。



【指導教員 久保田啓一教授(日本・中国文学語学講座)からのコメント】

1月16日の発表以来、私に「おめでとう」といって下さる方が何人もいらっしゃいましたが、私は、近世文学の授業や研究会の席で、あるいは滑稽本「花暦八 笑人」を題材とする卒論の執筆過程で、小山田さんに然るべき研究指導をしただけですので、何とも面映く、しかし、作中人物に乗り移ったかのように次々と解 釈と意味づけを繰り出す卒論の文章の圧倒的な筆力をあらためて目の当たりにすると、今回の栄誉の源泉の一つに文学部在籍中の学問があったのかもしれないと いう手応えが、喜びとともに心深くに刻み付けられたのも事実です。本当にうれしく思います。



お子さんのために広島を離れず、電話で受賞会見に臨み、決して浮かれたりしないのも、私には何より好ましく思われました。文壇最高の賞を貰いながら、芥川 賞作家というプレッシャーに潰されて作品が書けなくなり、忘れ去られていく作家が如何に多いか。小山田さんらしい抑制の利かせ方が、恐らくは息の長い執筆 活動を支えてくれるに違いありません。



やはり芥川賞を貰った松本清張には、旅先で原稿用紙がなく、ありあわせの紙に縦横の罫を引き、寸暇を惜しんで文章を書きながら、同行の人に「どんな状況で も書き続けるのが作家の能力だ」という趣旨のことを語ったという逸話があります。研究者が論文を書かなくなったら終わりのように、ひたすら書き続けてこそ の作家なのかもしれません。選ばれた者としての誇りを持ち、しかも自然体で、少しずつ題材を広げながら、納得のいく小説をコンスタントに、楽しんで書き続 けて下さい。研究室の書架に置いたあなたの卒論の横に御著書が1冊1冊と並んでいくのを、何よりの楽しみとしてお待ちしています。(リテラメールマガジン59号より転載)

広島大学HP掲載記事はこちらをご覧ください。

NHKの取材を受ける小山田さんの指導教員だった久保田教授(日本文学語学研究室)

文学部玄関ロビーに貼り出された受賞のニュースに見入る文学部学生たち

小山田浩子さんの芥川賞受賞を祝う懸垂幕が文学部建物に掲げられました
【この記事に関するお問い合わせ先】

文学研究科運営支援グループ

TEL:082-424-6604

E-mail :bunkoho☆hiroshima-u.ac.jp(☆を@に置き換えて下さい)


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