顎顔面解剖学

寺山 隆司 教授

【研究キーワード】
慢性疼痛、神経障害性疼痛、グリア細胞、転写因子、三叉神経

【最近のハイライト】
末梢神経損傷によって起こる中枢神経系でのグリア細胞の活性化が侵害情報の過剰な入力を引き起こし、これらの変化が神経障害性疼痛の発症メカニズムに関わっていることを明らかにしました。

研究者総覧へのリンク

【研究室主要論文】
・Activation of microglia and p38 mitogen-activated protein kinase in the dorsal column nucleus contributes to tactile allodynia following peripheral nerve injury., Neuroscience, 153巻, 4号, 2008
・The roles of NMDA receptor activation and nucleus reticularis gigantocellularis in the time-dependent changes in descending inhibition after inflammation, PAIN, 97巻, 1-2号, pp. 171-181, 2002

【教育内容】
当分野は人体、特に口腔顔面領域を重視した肉眼解剖学を担当しています。これらの授業を通して歯学生は歯科医学の基本的かつ必須の知識を得ます。また人体解剖実習で人体の精密で機能的な形態を理解させるとともに、生や死、医の倫理について考えさせる機会を与えます。

【研究内容】
生理的な痛みは生体防御のために必要ですが、神経障害性疼痛などの病的な痛みは健康上の重大な問題となります。これまでに様々な研究が行われてきましたが、現在行われている治療法は不十分、または重大な副作用を起こす場合があります。私たちの研究はこの神経障害性疼痛の発症メカニズムを解明し、適切な治療法を開発することを目的としています。最近、末梢神経損傷後の中枢神経系におけるニューロンとグリア細胞の相互作用に着目して研究を行っています。

【写真説明】 ミクログリアの活性化に対して抑制効果のあるミノサイクリンを投与することによって、神経障害性疼痛の発症を回避できること、また神経損傷後の脊髄における異常な収斂投射を抑制できることが明らかとなった(収斂投射は後肢への侵害熱刺激によるc-Fosの誘発と脛骨神経の電気刺激によるERKのリン酸化により検出)。


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