口腔生理学

杉田 誠 教授

【研究キーワード】
味覚、摂食、必須脂肪酸、唾液分泌、嚢胞性線維症

【最近のハイライト】
酒寄助教の「妊娠中に母親が食べる油(脂質)の種類が子の食嗜好に影響する機構」の論文がCommun Biol誌に掲載されました。味覚情報を伝える神経経路を可視化するマウスを作製し、そのマウスを用いて甘味と苦味情報が脳内で識別・認知される機構や、甘味や苦味刺激により対照的な行動・情動反応が惹起される機構を分子・細胞・システムレベルで解明することを目指しています。グラミシジン穿孔パッチクランプ法を唾液腺細胞の陰イオン輸送の解析に適用し、唾液腺における水輸送の駆動力となる陰イオン分泌を細胞単位、実時間で測定する方法を確立し、イオン・水分泌制御機構を解明しています。

研究者総覧へのリンク

【教育内容】
生理学・口腔生理学の講義と実習を通して、生体が保有する生理機能および生命システムの動作原理を学びます。生体が外的環境の様々な変化を感知し、動的に内部環境の恒常性を維持する機構を学び、恒常的状態の破綻である病態を理解するための基礎を身につけます。また顎口腔領域における感覚機能・運動機能について理解を深めることを目指します。

【研究内容】
1:味覚識別と味覚誘発行動・情動の神経回路基盤に関する研究
2:妊娠中の必須脂肪酸摂取が子の脳発生・脳機能に及ぼす影響の研究
3:唾液腺等の上皮膜輸送に関与するイオンチャネル・トランスポーター機能の分子生理学的解析
4:脳機能動態・病態の時空間ダイナミクスの可視化と分子マーカー
5:嚢胞性線維症原因遺伝子(CFTR)の分子機能と変異体の病態発現に果たす役割に関する研究

GFP標識味覚受容体とDsRed標識トレーサーを発現する味覚受容細胞
 

摂食行動を制御するドパミン神経細胞(マゼンタ)が新たに作られる様子(緑)
 

唾液腺細胞での陰イオン分泌機構


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