瀬戸内海における里海フィールド科学教育の新展開
本事業は、世界でも有数の生産力を有する瀬戸内海という里海フィールドを教育の場とした全国共同利用拠点を形成し、広島大学大学院統合生命科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター水産実験所(以下,水産実験所という)の教育施設・設備を全国の国公私立大学の教育課程上の演習・実習等に積極的に提供します。あわせて、「里海」としての瀬戸内海の水圏環境、生物多様性と生物生産のメカニズム、水産資源の持続的利用に関するフィールド教育への一層の貢献を目標としています。瀬戸内海には人間の社会的営みと環境保全のバランス問題を考える上での極めて優れたフィールドが多く存在します。この利を活かしたフィールド教育を本事業で余すことなく展開できるでしょう。これまで実施してきた単位互換を伴う演習のアンケート調査などによって、多くの他大学受講生が一同に会して実習、演習を行うことにより学習意欲を明らかに高められることが実証されています。行き届いた支援体制のもとで、本事業を実施することにより、多くの他大学学生に多様で充実した教育を提供できることが期待されます。
また、本学も含めた複数の大学の学生が演習等に参加することで、学生間の交流によるコミニュケーション力の練磨、さらにはグループ単位での実習、演習を通じて1人ひとりの学生のチームワークやリーダーシップ力の向上を図ることができると期待しています。