川原 野々花(M1)

人間社会科学研究科 国際教育開発プログラム-博士課程前期前期1年(2023年4月時点)

派遣先:メコン大学 日本語ビジネス学科
派遣国:カンボジア
派遣期間:2023.10.10~2023.11.11

1) 派遣国について

 カンボジアに2023年10月10日~11月11日まで行っていました。カンボジアのお札(リエル)には日本の国旗が書かれているなどカンボジアは日本と親交が深い国の一つです。
 日本は治水、遺跡修理、教育をはじめとしてあらゆる分野で現在に至るまで支援をしており、街のいたるところで支援の記念碑を見ることができました。またカンボジアの方々は本当に親切にしてくださり、現地語がわからない私にとって非常にありがたかったです。
 

2)現地での生活や文化について

カンボジアでは月・水・金の週三回、一時間日本語や日本文化についての授業を行いました。平日の日中は授業準備や大学の授業を受講するなどして過ごしました。放課後になると社会人大学生が期末試験を受けに来るので日本語で会話したり、授業で扱った書道を一緒に行ったりして交流しました。休日は授業準備を行いつつキリングフィールドやアンコールワットなどを訪ね、歴史や文化について知識を深めました。
 食事はカンボジアメコン大学日本語ビジネス学科長の樋口先生とともに大学近辺の食堂でとることが多く、麺料理や豚肉ごはんをよく食べてました。食文化としてにんにくや香草が効いたものも多かったですが、ロッチャーやバイサッチュルなどは日本人向けの味付けで美味しかったです。日本料理のお店にも行きました。
 またカンボジアはカフェ文化が強く、大学近辺にも安くておいしいドリンク屋さんが沢山ありました。10月は日中非常に蒸し暑く、一杯1ドルくらいで飲めるので近所のタピオカ屋さんによく行っていました。
 ご店主は英語がわからない方だったのですが非常に親切にしてくださり、日本に帰る前日にはサービスしてくださいました。またカンボジアは家族を非常に大切にする文化が強いです。メコン大学の学生と話していても家族愛が伝わってきて素敵だなと思いました。
 

3) 派遣先について

 カンボジアメコン大学日本語ビジネス学科で一ヵ月インターンをさせていただきました。カンボジアメコン大学はプノンペン市街から少し離れた場所に位置しています。2003年に設立され、日本語ビジネス学科のほかに経済学部や法学部などがあります。広島大学と異なり、大通りに面した建物のひとつが大学となっており、寮が併設されています。2023年の11月卒業の学生3名が日本語ビジネス学科の最後の正規学生で、現在は他学部の学生に向けた日本語の授業をメインで行っています。

 

4)研修内容について

 私は日本語教師として派遣されたため主な研修内容は日本語や日本文化の指導でした。どちらかというと日本文化が中心で、その中で出てきた日本語表現の指導を行いました。
また研究の一環としてICTを用いて発音練習に関する調査も行い、授業を行いました。

 どの学生も非常に日本語や日本文化についての関心が高く、熱心に授業に取り組んでもらえてうれしかったです。その中でも特に印象深いのは第7回の音楽の授業です。日本語指導とはあまり関係はないですが、カンボジアの学校教育には音楽の授業がないため学生たちにとっては人生初の音楽の授業でした。
 メコン大学には立派なグランドピアノがあるため、せっかくの機会なので「きらきら星」のピアノの練習を行いました。中々苦戦していたものの、ミスがなく一通り演奏ができたときの学生の笑顔は花が咲いたようで、本当に忘れられません。
 

5) このインターンで一番得たもの

 人との縁です。
 今回初めて一人で海外に、しかも長期でかつ非英語圏に行きました。私にとっては大きな挑戦でしたが本当に人との縁に恵まれました。出会った人々すべてが将来に向けて努力していて、私にはない価値観を持っていて非常に勉強になりました。一度扁桃腺炎になったときも、どうしたら私が一番早く回復するかを考え、多くの方が助けてくださいました。また帰り際には友好の証としてストールとブレスレットをいただきました。
 私は当時ちょうど就職活動を控えていた時期で焦って視野が狭くなりがちだったため、人として大切な価値観をカンボジアの方々から教えてもらった気がします。今回知り合った方々に会うためにも5年後にまたカンボジアを訪れたいと思っています。

 

6) インターン経験を今後どのように生かしていきたいですか?

 まず実際に今回インターンで日本語指導や調査で得た結果や学びを研究に生かしたいです。特に自作の日本語の発音練習用ICT教材は課題が多く残る結果となってしまったため、改良していきたいです。
 また、自身が所属する東広島市の外国人児童生徒へのボランティア団体の日本語支援においても得た気づきを生かしていきたいです。そして、今回観光目的以外での海外渡航に挑戦して非常にいい経験となったのでまた留学に積極的にチャレンジしていきたいと思います。

 

7) その他、「これはいいたい!」と思われることがあればご自由にどうぞ・・・ 

 G.ecboインターンシップを通して非常に多くのことを経験することができました。実践形式なこともあり非常に身になる経験ができました。ありがとうございました。

 

8) 後輩の方々へ一言メッセージ

 海外渡航の経験は本当に貴重ですし視野が広がります。迷っているのであればぜひ挑戦してみてください!

 


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