第1回グローバルインターンシップ推進拠点(G.ecbo)シンポジウム
「より安全な国際交流に向けたリスクの予防と実践的対応」
実施報告
【日時】2008年3月6日(木)10:00~16:40
【場所】広島大学中央図書館1Fライブラリーホール
【参加者数】73人 (招聘7人 学外9人 学内57人)
【プログラム】
<第一部>
グローバルインターンシップ派遣学生の成果発表(25分/人)
・第三国インターンシップ参加者を代表して
「UP-NISMEDでのインターンシップ」(フィリピン):Pen Chamroeun
・途上国インターンシップ参加者を代表して
「ベトナムの都市間幹線道路における「道の駅」の導入可能性に対する検討」(ベトナム):岡英紀
「日系中小企業の国際人的資源管理における問題点の一考察」(ベトナム):林田さやか
・遡上教育としてのインターンシップ参加者を代表して
「バングラデシュでの経験と今後の計画」(バングラデシュ):谷口万里子
<第二部>
G.ecboプログラム紹介
広島大学G.ecboプログラム拠点委員長 藤原 章正
「長期留学の現状と課題」
(独)日本学生支援機構(JASSO)菅野 勝義 氏
「大学教育における安全管理の現状」
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 河合 克浩 氏
「フィリピン大学の危機管理の取り組み」
フィリピン大学学生活動センター長Oscar P. Ferrer 教授
「海外体験学習の危機管理の取り組み」
恵泉女学園大学 体験学習CSL・FS委員長 上村 英明 教授
「危機管理体制の見直しと改善策」
京都大学国際交流センター長 森 純一 教授
【報告と成果】
本シンポジウムの第一部では、2007年度に実施したグローバルインターンシップの教育成果の報告を行った。英語による発表・質疑応答であったため、来場者からの質問に詰まる場面もあったが、派遣学生たちにとっては、今後インターンシップの成果を研究等に深めていく上で、貴重な経験になった。
第二部では、インターンシップ・国際交流の実績のある国内外の大学の担当者、危機管理の専門家を招聘し、国際交流活動に伴うリスクの予防と実践的対応について議論した。近年、大学での海外プログラムは拡大拡張の一途をたどり、海外で学ぶ日本人学生数、日本で学ぶ外国人学生数は共に急増している。このような背景から、大学教育の現場においても、国際交流の現場で起こりうる危機を回避するための予防対策や危機に遭遇した場合の対策など、実践的な危機管理対策の構築・実施が急務となっている。本シンポジウムでは、そのような観点から5名の講師を招聘し留学の現状、国内の大学の危機管理の取組状況を紹介していただいた。特に、先駆的な取組を実施されている国内外の大学担当者からは、それぞれの取組状況について披露していただくとともに、苦労話も交えた「現場の声」を聞かせていただいた。学外からの参加や照会も多く、より安全な国際交流事業を推進していくための必要性やその手がかりを学ぶ良い機会を提供することができた。本学においても、より実践的な危機管理体制構築に向け、FD・SDの役割を十分に果たしたものと思われる。
恵泉女学園大学上村英明教授の言葉をお借りすれば、『リスクマネジメントには、これだけやったら大丈夫、というゴールはない。』今後も、より安全なグローバルインターンシップに向け、現在の取組を継続的に改善実施していく必要がある。