蓮池助教(第2期)(山口大学 大学院創成科学研究科)がオーストラリアに研究渡航しました

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蓮池助教が、2022年9月12日から12月1日まで、オーストラリアに研究渡航しました。

研究交流レポート

Royal Melbourne Institute of Technology (RMIT) University

渡航目的:

橋梁点検のサポートとして、鋼橋の外観写真から腐食程度を分類するためのさび外観Convolutional Neural Networks (CNN) 分類器の作成、および汎化性能向上に向けた研究の推進。また、CNN分類器に限らず、画像処理および機械学習の現場適用に関する意見交換の実施。

渡航中研究成果:

滞在先の研究グループがコンクリート構造物を対象に実施している、撮影画像の背景と損傷を切り分ける画像解析手法を腐食鋼材に適用できないか検討し、また、同研究グループが開発を進めている、高所作業者を撮影した写真からその作業者の安全器具の着用状況を判断し、文章化するアルゴリズムについて意見交換を行った。滞在期間中にあらたな機械学習のプログラムの完成には至っていないが、鋼橋の点検への適用性を引き続き議論している。
RMIT Uni.の所有する分析機器や金属3Dプリンター、およびコンクリート3Dプリンターなど、最先端の設備を見学させていただき、滞在していた研究グループ以外の研究スタッフとの新たなコネクションを得た。

University of Technology Sydney (UTS), Macquarie University

渡航目的:

非接触橋梁点検技術としての活用を試みている、ハイパースペクトルカメラによる腐食程度の判定に関する研究発表(UTS)、鋼橋の腐食要因のひとつである水の非破壊検出に関する研究発表(Macquarie Uni.)。

渡航中研究成果:

UTSで参加したワークショップにおいて、使用しているカメラをドローンに搭載しての実橋梁への適用に関する意見を受け、ドローンを所有するUTSの研究グループと議論を進める予定である。また、同ワークショップへ参加していたGriffith Uni.の研究グループが、同大学内の人道橋の腐食モニタリングに関する研究を始めており、共同研究を提案いただき、4月以降に実施予定である。Macquarie Uni.で参加した国際シンポジウムにおいて、同シンポジウムへ参加していたAra Institute of Canterbury(ニュージーランド)の教員との意見交換を通じ、帰国後に共同研究に向けた打合せを実施しており、来年度よりニュージーランドの実橋梁を対象とした測定等の、共同研究を実施する予定である。なお、本シンポジウムでBest Presentation Awardを受賞した。

ハーバーブリッジにて

Best Presentation Award 受賞時に撮影

(山口大学 大学院創成科学研究科 助教 蓮池 里菜)


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