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笠井之彦広島高等裁判所長官による講演が行われました

笠井之彦広島高裁長官

 令和5(2023)年4月26日、法学部授業「法学基礎」の一環として、「法と裁判の「ダイナミズム」と「未来創造力」~ 裁判官が目指す「ノーブルゴール」~」と題し、笠井之彦広島高等裁判所長官の講演が行われました。
 笠井長官は、まず法とは「憲法の理念に基づいて、人々の『自己実現』を可能にする社会をつくること」を究極的に目指していることを説明し、必要に応じ私たちが変えていくものであることを強調しました。そのうえで、なぜ裁判が受け入れられるか、そこには裁判に対する納得と信頼があるからだとし、その基礎には「法の趣旨に遡って解釈適用し、問題を解決する能力」である法的思考力があると力説しました。こうした法的思考によって、社会の価値観が変わっても、多様な価値観を調整し法を適切に変化させていくことができるということを、たとえば聴覚障害と逸失利益をめぐる裁判例、同性婚をめぐる裁判例など実例を示して解説していただきました。法を学ぶということはこうした「法的思考」を学ぶことであり、法を学ぶ学生に、一人一人の「ノーブルゴール」の達成のために、地道な「スモールゴール」に向けた地道な取り組みも忘れないようアドバイスをいただきました。

 長官は、サッカー選手、野球選手、陸上選手たちの言葉を引きながら、また法律学に限らず心理学などの説明を織り交ぜながら、法律初学者に解りやすく、法と裁判、そして法を学ぶということについてお話しくださいました。
 最後に学生からの質問の時間も設けていただき、丁寧にお答えいただきました。

長官への質問

学生の関心は高く、多くの学生が今回の講演会にご参加くださいました。

多くの聴講者を集めた会場の風景

笠井長官には、ご多忙の中本講演会の趣旨をご理解いただき、素晴らしいご講演を賜りました。厚く御礼申し上げます。


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