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【研究成果】心房細動における心拍数に関与する遺伝子を世界で初めて発見~心房細動レートコントロール療法の新たなる治療ターゲットの可能性~

本研究成果のポイント

  • 心房細動においてGJA1(※1)遺伝子多型(※2)変異型(Cアレル)を有する人の心拍数が速くなることが世界で初めて確認されました。
  • GJA1遺伝子多型変異型は難治性頻脈性心房細動を予測する、新たなマーカーとなる可能性があります。
  • 心房細動の心拍数を規定する因子の解明により、レートコントロール療法(※3)の新たな治療法につながることが期待されます。

概要

広島大学大学院医系科学研究科の循環器内科 岡村 祥央大学院生(博士課程・クリニカルスタッフ)、中野 由紀子教授、同消化器代謝内科の越智 秀典客員教授、茶山 一彰教授らの研究グループは、心房細動における心拍数がGJA1遺伝子多型変異(Cアレル)を有する症例で速いことを確認し、GJA1遺伝子多型が心房細動中の心拍数にかかわる新たな因子として発見しました。

今回の結果は心房細動の治療法であるレートコントロール療法に対する治療抵抗性を予測するのに有用であり、心房細動をもつ患者さんの治療方針を検討するうえで重要な因子となります。

本研究は英国科学誌「Scientific Reports」(オンライン版)に掲載されました。

※TT:ワイルド(正常) TC:ヘテロ C:ホモ(異常がある)

※TT:ワイルド(正常) TC:ヘテロ C:ホモ(異常がある)

用語解説

(※1) GJA1
Gap junction protein alpha-1

(※2) 遺伝子多型
個人毎の塩基配列の違い

(※3) レートコントロール療法
心不全予防のため心房細動の脈拍数を下げるための薬物療法

論文情報

  • 掲載誌: Scientific Reports
  • 論文タイトル: Minor Allele of GJA1 Gene Polymorphism is associated with Higher Heart Rate during Atrial Fibrillation
  • 著者名: Sho Okamura, Yuko Onohara, Hidenori Ochi, Takehito Tokuyama, Naoya Hironobe, Yosaku Okubo, Yoshihiro Ikeuchi, Shunsuke Miyauchi, Kazuaki Chayama, Yasuki Kihara, Yukiko Nakano*
    * Corresponding author(責任著者)
  • DOI: 10.1038/s41598-021-82117-3
【お問い合わせ先】

大学院医系科学研究科
教授 中野 由紀子
TEL: 082-257-5540
E-mail: nakanoy*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)


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