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【研究成果】楽しさを伴う身体活動の実践はメンタルヘルスの維持に重要~With コロナ時代の生活行動の指針の提案~

本研究成果のポイント

  • 客観的に測定可能な身体活動量とその活動の主観的な楽しさの関連には個人差が存在する。
  • 活動量の増加に対して主観的な楽しさが減少する個人は、回避・反芻の多いうつ的な生活行動パターンを示す。
  • 活動の量ではなく、主観的な楽しさを伴う活動といった活動の質が、個人の生活行動パターンと関連する。
  • 活動に伴う楽しみに気づき、楽しみを伴う身体活動を実践することはwithコロナ時代のメンタルヘルスの維持に重要である。

概要

 広島大学大学院医系科学研究科精神神経医科学 香川芙美(大学院生)、横山仁史(助教)、岡本泰昌(教授)らの研究グループは、活動の量ではなく、主観的な楽しさを伴う活動といった活動の質が、個人の回避・反芻の多いうつ的な生活行動パターンと関連することを明らかにしました。
これまで身体活動量の増加がメンタルヘルスを改善することが報告されてきましたが、身体活動量増加とメンタルヘルスの改善は単純には比例しないという指摘もあります。そこで本研究では、個人の客観的身体活動量とその主観的楽しさの関連を明らかにした上で、日常生活の行動特徴との関連についても検討しました。
その結果、客観的に測定可能な身体活動量とその活動の主観的な楽しさの関連には個人差が存在すること、活動量の増加に対して主観的な楽しさが減少する者は回避・反芻の多いうつ的な生活行動パターンを示すことが、明らかになりました。すなわち、活動の量ではなく、主観的な楽しさを伴う活動といった活動の質が、個人の生活行動パターンに大きな影響を与えるものと考えられました。
Withコロナ時代にはいって、生活行動パターンが変化し、うつなどのメンタルヘルスの問題が大きくなってきています。メンタルヘルスを維持するためには、単に活動の量を増やすだけでは不十分で、活動に伴う楽しみに気づき、楽しみを伴う身体活動を実践することが重要であると考えられました。
本研究成果は、ロンドン時間の2月18日午前10時(日本時間:2月18日午後7時)「Scientific Reports」オンライン版に掲載されます

楽しみを伴う活動を増やす行動変容プログロムがうつを改善する

論文情報

  • 掲載誌: Scientific Reports
  • 論文タイトル: Decreased physical activity with subjective pleasure is associated with avoidance behaviors
  • 著者名: Fumi Kagawa, Satoshi Yokoyama, Masahiro Takamura, Koki Takagaki, Yuki Mitsuyama, Ayaka Shimizu, Ran Jinnin, Hirotaka Ihara, Akiko Kurata, Go Okada, Yasumasa Okamoto*
  • DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-022-06563-3
【お問い合わせ先】

大学院医系科学研究科
横山 仁史
岡本 泰昌
Tel:082-257-5208
FAX:082-257-5209
E-mail:sts-*-ykym@hiroshima-u.ac.jp (横山)
    oy*hiroshima-u.ac.jp(岡本)

(注: *は半角@に置き換えてください)


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