大連大学との学術交流会を開催(2011年3月21日)
平成23年(2011年)3月21日、マネジメント専攻は、国際交流協定締結校である大連大学において学術交流会を開催しました。学術交流会の会場となったのは、同時通訳養成のための教室で、中国の国家指導者も視察に訪れたという立派な円形の階段教室です。この教室いっぱいに、大連大学日本語言文化学院の関係者、約100名のご出席をいただきました。
はじめに、大連大学副学長・日本言語文化学院院長の宋協毅教授より、当学術交流会の狙いや報告者についてご紹介いただきました。
続いて、マネジメント専攻在学中の6名の院生から研究報告を行いました。
前半は、博士課程後期院生3名の報告。社会人による研究報告に、聴講の皆さんは、身じろぎもせず熱心に聞き入っておられました。地方自治体のマネジメントに関する研究報告では、研究手法についても奥深い言及がなされました。企業の社会的責任(CSR)についての研究報告では、CSRをめぐる日中の比較に関して質疑が交わされました。国際会計基準(IFRS)に関する研究報告では、最新の国際動向や問題点が論じられました。質疑応答では、学部時代とは異なる専門領域のマネジメント専攻へ来て学ぶ理由を問われ、「一度社会に出ると経営学の必要性を感じるから」といった社会人ならではの回答もありました。
約10分の休憩の後、後半は、博士課程前期院生で中国人留学生3名の報告。このうち二人は大連大学日本語言文化学院のOG、残る一人も大連外国語大学のOGとあって、聴講の皆さんの期待も一層高まったようです。日本企業の採用行動についての研究報告では、日本企業及び中国企業の採用行動の比較などをめぐって、活発な質疑応答が展開されました。また、産直農産物のマーケティングについての研究報告では、「マーケティング上、生産・交換・消費の各段階のいずれが重要か」といった質問が寄せられました。中国の日系コンビニエンス・ストアに関する研究報告では、日中のコンビニの比較や、大連の購買力と今後のコンビニの展開などについて、興味深い議論が交わされました。
研究報告を終え、マネジメント専攻の盧濤教授及び大連大学の宋協毅教授より総評をいただきました。総評では、報告者が自らの研究を中国という異なる環境で新たに見直すことができたこと、聴講者は先輩たちの姿や日本の大学院で研究されている最新知識に触れたこと、そして何よりも、参加者全員でこの有意義な議論の場を作り上げたことに触れられ、当学術交流会の成果を皆で喜び合いました。最後に大連大学の皆さんから盧濤教授に贈呈された花束は、マネジメント専攻の一行で三輪ずつ分かちあいました。可憐な花は、宿舎の大連大学ホテルの各部屋を明るく彩ってくれました。まるで、私たちを大きな拍手で迎えてくれた皆さんの笑顔のように…。
この学術交流会は、来年度も継続して行われる予定となっています。
(井上ゼミ・世良和美 記)