大連大学日本言語文化学院学術交流会および中・日・韓日本言語文化研究国際フォーラム(2016)

大連大学日本言語文化学院との学術交流会を開催(2016年9月23日) および大連大学日本言語文化学院主催の中・日・韓日本言語文化研究国際フォーラムに参加(2016年9月24~25日)

平成28(2016)年9月23日、広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻は、国際交流協定締結校である大連大学日本言語文化学院で、第8回協定校学術交流会を開催しました。この交流会には日本言語文化学院の学生や関係者約50名が出席し、マネジメント専攻博士後期課程の学生4人がそれぞれの研究内容を発表しました。
交流会の冒頭で、大連大学副学長で日本言語文化学院の宋協毅院長から、流ちょうな日本語で歓迎のことばを頂きました。その後、広島大学大学院マネジメント専攻の盧濤教授が 当専攻の概要について話され、大連大学日本言語文化学院の学生に対し激励のことばをかけられました。
盧濤教授の司会のもと、学生の緊張感もだんだんとほぐれていくなかで、マネジメント専攻の学生4名がスライドを用いて発表しました。社会人が高等教育機関で学習する際の阻害要因に関する研究、付加価値会計の現状と課題についての研究、在日中国人の技能実習生が抱えている適応問題に関する研究、商品名のネーミングに関する研究の四件で、マネジメント専攻ならではの学際的で幅広い研究テーマについての解説でした。これらの研究報告ののち、活発なディスカッションが行われましたが、日本言語文化学院の学生は、とくに研究テーマに関する問題設定や分析方法、日本企業の組織観や会計学に関する概念、互いの国の文化の相違性などについて関心を示し、また、留学を目標とした学習方法のあり方など、自らが直面している課題に関する質問や意見も多く寄せられました。最後に、盧濤教授より「マネジメント専攻の学生は自らの研究を振り返ることができ、新しい視点に気付くよい機会となった」との総評がありました。

また、9月24~25日に開催された、大連大学日本言語文化学院主催の第7回中・日・韓 日本言語文化研究国際フォーラムに参加しました。中国・日本・韓国の三カ国30名の学者や研究者の先生方により、二日間にわたって講演が行われました。私たちマネジメント専攻の学生4名を含むおよそ100名の発表者は、分科会として日本文化や日本文学などの項目によって9つのグループにわかれ、それぞれ発表を行いました。
先生方が講演をされる会場は常に満席で、日本言語文化学院の学生たちは皆熱心に講演を聴き、講演終了後も活発に質問をしていました。分科会においても各分科会の座長の指導のもと、それぞれの研究発表後に質疑応答がなされ、限られた時間のなかで活発に行われました。
閉会式では宋協毅院長から、先生方が遠方から集まられ、異文化コミュニケーションをはじめとする日本言語についての熱心な討議が交わされたことに対して厚くお礼を述べられ、盛況のうちに終了しました。

大連市内は公共交通機関が発達し高いビルが立ち並ぶなか、商業も活発で、郊外ではリゾート開発も着々と進んでいる、今後も経済成長が大きく期待できる街です。海に近い街で、昔から魚介類を好み最近では刺身も食されていることなど、食文化の面でとても日本と似ています。穏やかな気候のなかで人々は親日的で明るく、日本企業も多く駐在しています。世界に開かれた港湾都市ならではの開放的な街の雰囲気からは、海外からの留学生や研究者、企業など様々な人々にとって住みやすく、また彼らを受け入れることができる街の懐の広さを感じとることができました。

大連は、そうした革新的でありながら、旅情的で日本人にとってどこか懐かしさを感じることができる素敵な街で、参加者それぞれがこの街の人情に触れ、心地よい時間を過ごすことができました。日本言語文化学院の学生たちとの交流は、私たち発表者にとって刺激となり、非常に貴重な経験となりました。目を輝かせながら懸命に思いを伝えようとする彼らの姿は、人と人とが交流し相互理解をすすめるうえで非常に大切なことであり原点であるということを改めて考えさせられ、感銘を受けました。

この学術交流会は、来年度もひきつづき開催される予定です。
最後に、このような機会を与えてくださいました両大学の先生方、そしてスタッフの方々に対し厚くお礼申し上げます。

(参加者一同)

 

集合写真


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