相馬 敏彦(そうま としひこ)

担当授業科目名

社会心理学、社会行動データ解析

概要

私の専門分野は社会心理学です。「職場のあの人はなぜあのような行動をとったのか、どうすれば変えられるか」といったテーマは、心理学の研究対象でもありマネジメントの研究対象でもあります。2010年に着任して以来、私のゼミでは、組織と個人の心理・行動との関連をテーマに研究される方が少なくありません。私もそうです。ただし、私自身は少し広く「絆」を捉えてその心理学研究を進めています。親密な人間関係や上司と部下の関係、組織と構成員の関係、あるいは企業と顧客との関わりなど、さまざまな絆があります。それは人を幸せにしてくれる一方、人を不快にすることがあります。多くの人は幸せをもたらす関わりこそを絆だと捉えるでしょう。しかし、絆のもたらす不快さもまた重要です。叱られて当時は嫌な思いをしたけれど、今振りかえるとよい勉強になった、といった経験を時々耳にします。不快をもたらす絆が人を成長させたり、長期的にみるとより適切な行動をとらせたりすることがあるのです。もちろん、絆がハラスメントや暴力といった形で不快さをもたらすことも事実です。では、そういった絆の違いは何か、境界はどこにあるのか。これが今の私の研究テーマの一つです。

研究分野

社会心理学、パーソナル・ネットワーク、モチベーション

研究活動

● 著書

「厳しきリーダーが信頼される条件-医師、看護師、医療事務職を対象とする調査データから-」広島大学マネジメント研究センター編『連携による知の創造: 社会人大学院の新たな試み』白桃書房、2014年、23-25頁。

「家庭内暴力」「離婚」大坊郁夫・谷口泰富編『現代社会と応用心理学2 クローズアップ恋愛』福村出版、2013年、173-190頁。

第11章第2節「ソーシャルネットワーク」相川充・高井次郎編著『展望現代の社会心理学2 コミュニケーションと対人関係』誠信書房、2010年、200-210頁。

第6章「親密な関係の光と影」高木修監修・安藤清志編著『シリーズ21世紀の社会心理学13 自己と対人関係の社会心理学:「わたし」を巡るこころと行動』北大路書房、2009年、66-78頁。

● 学術論文

相馬敏彦・清水裕士「ワンランク上のブランド・コミットメントはどう形成されるのか?;顧客の潜在ランクへの分類と拡張版投資モデルのブランドへの適用」『マーケティング・ジャーナル』印刷中

中島健一郎・礒部智加衣・相馬敏彦・浦光博「集団アイデンティティの変動過程における集団タイプの調整効果」『心理学研究』、第84巻、第2号、162-168頁、2013年。

金政祐司・相馬敏彦・小塩真司・結城雅樹・橋本剛「拡がる世界、狭まる視界-適応方略の不合理性、不合理な心性の合理性-」『対人社会心理学研究』、第12巻、1-22頁、2012年。

相馬敏彦・浦光博「「かけがえのなさ」に潜む陥穽:協調的志向性と非協調的志向性を通じた二つの影響プロセス」『社会心理学研究』、第26巻、第2号、 131-140頁、2010年 。

● その他の論文

 

● 受賞歴

日本グループ・ダイナミックス学会第56回大会優秀学会発表賞(2009年10月)

外部資金獲得実績

● 科学研究費取得実績

「子育て期の社会的ネットワーク拡充再構築のための「社会的代理人」の活用に関する検討」基盤研究(C)、2015年度~(研究分担者)

「社会的動機の充足プロセスにおけるネットワーク構造と組織システムの制御資源保存機能」基盤研究(C)、2014年度~(研究代表者)

「対人的報酬・罰行動がネットワークや集団パフォーマンスにもたらす影響プロセスの解明」若手研究(B)、2011年度~2013年度、(単独)

「育児環境における情報収集過程と個人特性が養育者の心理的適応に及ぼす影響機序の解明」基盤研究(C)、2010年度~2012年度、(研究分担者)

「ネットワーク境界の共有性が個々の関係での葛藤解決過程に及ぼす影響」若手研究(B)、2007年度~2009年度、(単独)

● その他外部資金習得実績

「若者のDV被害を予防するプログラムの効果検証;DV被害の脆弱性モデルを基盤として」 日工組社会安全財団(一般研究助成)、2015年 4月~、(研究代表者)

所属学会

日本心理学会、日本社会心理学会、日本グループ・ダイナミックス学会、産業・組織心理学会、
Society for Personality and Social Psychology、American Psychological Association

詳細情報


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