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叢書インテグラーレ012「境界に立つ市民」の誇りを刊行しました。



「境界に立つ市民」の誇り ―ユダヤ人を家族に持つナチ時代のアーリア人作家クレッパー

広島大学大学院総合科学研究科 編

長田 浩彰 著

判型: B6判
ページ: 160ページ
ISBN: 978-4-621-08805-0
発行年月: 2014-01
価格: 1,995円
出版社: 丸善出版(株)

出版社による内容紹介

本書は、ユダヤ人を家族に持つアーリア人作家ヨッヘン・クレッパーがナチ時代に残した日記を史料に、境界に立たされた市民が迫害される側の視点で眺めたベルリンの日常と彼らの生活を辿っていく。クレッパーは妻子と共に1942年12月10日夜、自死の途を選んだ。その苦悩と苦闘は、我われに大きな教訓を与えてくれる。

目次

プロローグ ドイツ人とユダヤ人
 [1] ナチ体制下の市民
 [2] 非アーリア人人口
 [3] ナチ政権成立以前のドイツ人とユダヤ人
第I章 1938年までのクレッパーの状況
1. クレッパーの「日記」について
2. 本書の目的
3. 1938年までの作家クレッパーの状況
 [1] 1933年の失業と再就職
 [2] 1935年の再失業と『父』出版までの苦悩
 [3] 作家生活最大の危機
 [4] 危機の克服
4. 1938年までのクレッパーの家庭生活
 [1] ハンニとの結婚
 [2] ハンニの受洗への経緯
 [3] 娘たちの出国について
5. クレッパーのナチ政権観――その保守主義に関する考察
 [1] ナチ政権に対する否定的評価へ
 [2] ナチ政権への抵抗の拒絶
第II章 1938年の「水晶の夜」ポグロム
1. それまでの反ユダヤ人政策
 [1] 1933年
 [2] 1934年と35年
 [3] 1936年と37年
2. 1938年の反ユダヤ的措置と「日記」に見る「水晶の夜」ポグロム

 [1] 1938年の反ユダヤ的措置

 [2] 「日記」に見る「水晶の夜」ポグロムまで
 [3] 「水晶の夜」ポグロムとその後の「日記」から
第III章 1939年から42年までのクレッパー
1. 1942年までの反ユダヤ的措置
 [1] 1939年
 [2] 1940年
 [3] 1941年
 [4] 1942年とその後
2. 次女レナーテの出国をめぐる奔走
 [1] 1939年から41年10月まで
 [2] 1941年10月から42年12月まで
エピローグ ――市民としての誇りと限界


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