【8/9】第404回 生命科学セミナー

教員、院生、学部生を問わず多数御参加ください。

  • 令和元年8月9日 金曜日 16:30~18:00
  • 広島大学 総合科学部 K206講義室
  • 演題:質量分析イメージングを使って脳の機能を“見る”
  • 演者:澤田 誠 博士(名古屋大学 環境医学研究所 教授)
  • 責任者  山﨑 岳(広島大学大学院統合生命科学研究科  内線:6527)
  • 主催者  清水 典明(広島大学大学院統合生命科学研究科 内線:6528)

《講演要旨》

 私たちは既存の質量分析装置と組み合わせることで,従来のMALDI-TOFによる技術だけでなく広くLC-MSなどを用いた質量分析イメージングを可能とする前処理装置を開発しました。この装置は直径1~150μm程度の空間分解能を持つため,組織切片中の特定単一細胞の切り出しが可能となり,病態や生体反応における単一細胞または細胞集団の様々な分子の変動を質量分析により検出できます。生体分子のうち脳の機能変化に関連する分子を網羅的に分析することによって脳の活動を推定できると考え,脳機能に作用する薬物を投与した脳切片から分取した個々の細胞スポットのそれぞれから生理活性物質を抽出し,薬剤の分布とその作用により変化する神経伝達物質の分布をLC-MSにより定着し画像化する,LC-MSイメージング手法を世界で初めて確立しました。この技術の開発を進めると薬剤の分布や作用,薬の効きめや副作用・毒性まで検出できるようになります。病変部にピンポイントで作用して副作用がない次世代の薬を作る技術に貢献できることを期待しています。

 

※このセミナーは5研究科共同セミナー(総合科学研究科)の一環として開催されます。
※生命科学共同セミナーを受講する生物圏科学研究科の院生(M2)は,特に積極的に参加してください。
※このセミナーは総合科学演習または研究演習の一部として認められています。


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