修了生の声

三菱重工業株式会社・男性

修了生(三菱重工業株式会社・男性)

 
私は船の構造設計を担当しています。造船所では船殻(せんこく)設計と言います。
推進性能から決定される船型に合わせて、安全な船体構造を設計することが主な役割です。船に作用する荷重に対して、船体が損傷しないよう、構造部材の配置・寸法を決定します。また、強度だけでなく、乗員・乗客の快適性を大きく左右する振動低減設計も重要な仕事です。各種設計技術や設計ツールを駆使し、安全で快適な船を設計しています。さらに、船殻設計には、強度・振動に配慮するだけでなく、船体重量の軽量化(速力・載貨重量・燃費の確保)や重心のコントロール、工作性を考慮した全体最適化が求められます。全長数百メートルにも及ぶ巨大な構造物を、自らの手で最適設計し、より美しい、より良い船へと仕上げていくという、スケールの大きさが魅力です。
当社では、客船やフェリー、自動車運搬船、ガス船(LNGC、LPGC)、VLCC、コンテナ船、高速船,艦艇、特殊船といった、多種多様の船を扱っており、船ごとに仕様が大きく異なります。それぞれの仕様を満足させるために、柔らかい発想と高い技術力が必要とされます。また、若手でも重要な業務を任せられるため、非常にやりがいを感じています。造船業は、船という、とても巨大な「もの」を自らの手でつくることができ、自分の携わった船が世界中を航行する、とても夢のある仕事だと思います。

最後に、社会人になった私の率直な感想を伝えておきたいと思います。
社会人になると日々の業務に追われるため、学生時代に比べて自由な時間がほとんど持てなくなります。研究に没頭したり、視野を広げるために海外旅行をしてみたり、時間の使い方は人それぞれですが、学生時代の経験が無駄になることは絶対にありません。学生時代の様々な経験が、思わぬところで役立つこともあると思います。今しかない時間を有効に使い、学生時代にしかできない経験をたくさんしてください。

トヨタ自動車株式会社・男性

修了生(トヨタ自動車株式会社・男性)

写真: 休日の“100kmウォーキング”という社内行事より

 
私は卒業後、車両の衝突現象に関わる先行技術を開発する部署に配属されました。
特に私のグループではエアバッグやシートベルト等の部品に要素技術を落とし込む開発を行っています。街中を走る車を一見しただけでは分からない部品ですが事故の際には乗員の傷害を低減する部品の為責任は重大です。そんな部署での私の一日の動きを以下に書き出してみました。
多くの時間を費やしているのは新技術の実証試験計画や予測,また試験後の報告書作成などです。試験では何百万円もする市販の車を衝突させデータを収集し報告書にまとめます。報告書作成は職場先輩や上司に何度も擦り合わせを行って完成させる為、経験の浅い私は頭を悩ませることが多いですが苦労して作り上げれば社内資料として残っていくためやりがいのあるものです。
他にも試験課(試験機器操作のエキスパート)の方々と試験内容の打ち合わせやメーカーの方とも打ち合わせも行います。特に物にしていく部署なので会議室で行うのではなく、試験機器を目の前にして問題点を共有したりすることも多々あります。
最後になりますが、仕事は多くの知識や周囲の人々の協力によって成り立っています。そのため学生の内に座学で学ぶこと以外にも広く興味を持つことや大学での親友との関係を大事にし、自分を磨いておくことが重要だと思います。みなさん輸送・環境システムでのキャンパスライフを楽しんでください。

<ある一日のスケジュール>

 7:00  起床 朝食
 8:00  出社 メールチェック
 9:00  報告書作成
 11:00  先輩社員、グループ長に報告書提出(添削)
​ 12:00  昼食
 13:00  チームミーティング
 13:30  試験課の方に試験相談
 14:30  メーカーの方と打ち合わせ
 16:00  試験計画の考案
 17:00  報告書作成の続き
 19:00  帰社
 20:00  夕食(同期と一緒に)
 21:00  新聞購読
 22:00  就寝準備 就寝


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