広島大学が開発に参加した超小型衛星がロシアより打ち上げられました

3月22日15:07(日本時間)に、ロシアよりソユーズロケットが打ち上げられました。

ロケットには、ハンガリーと広島大学を含む研究チームが開発製造したガンマ線バースト監視のための超小型衛星が搭載され、無事宇宙空間に放出された後、地球を周回しました。

ガンマ線バーストは宇宙遠方で起きる中性子星同士の合体あるいは特殊な超新星に伴って、ガンマ線が瞬間的に明るく輝く現象です。特に前者は強い重力波放出も伴うため、重力波と電磁波による観測で詳しく調べることができます。X線、可視光、電波の望遠鏡で観測するためには、ガンマ線バーストの発生位置を1度以内の精度で制限する必要があります。

Masaryk University(チェコ共和国)のNorbert Werner教授を中心とするチームは、複数の超小型衛星を打ち上げて、それぞれの衛星でガンマ線バーストの検出時刻を精度よく測定し、その時間差から発生位置を制限するCAMELOTプロジェクトを進めており、今回の超小型衛星は、それら衛星群の第1号となり、GRBAlpha(ジーアールビーアルファ)と名付けられています。

Norbert Werner氏は、広島大学にも特任准教授として過去在籍し、広島大学の研究者(大学院生も含む)も開発製造に参加してきました。また、広島大学に助教として在籍し、現在ハンガリーで研究している大野雅功氏もハンガリーにおいて衛星製造に深く関わりました。衛星搭載検出器の開発・製造では、広島大学の大学院生も活躍しました。

今後、アメリカから2回目の打ち上げも予定されており、研究が進むものと期待されます。

CANELOTプロジェクトチームのメンバー

GRBAlpha超小型衛星の写真(1辺10cm)

プロジェクト参加機関

  • Konkoly天文台
  • 広島大学
  • Spacemanic 社
  • Needronix 社
  • Eötvös大学
  • 名古屋大学
  • Masaryk大学
【お問い合わせ先】

広島大学 大学院 先進理工系科学研究科 
教授 深沢泰司
TEL: 082-424-7380
E-Mail: fukazawa*astro.hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)

広島大学 大学院 先進理工系科学研究科 
准教授 高橋弘充
E-Mail: hirotaka*astro.hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)

広島大学 宇宙科学センター 
准教授 水野恒史
TEL: 082-424-7379  
E-Mail: mizuno*astro.hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)


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