研究科長挨拶

医系科学研究科のさらなる発展のために

医学・歯学・薬学・保健学の4分野における基盤的研究の深化と分野間の連携・融合を通じて、先端的な教育研究を推進し、高度なチーム医療を担うことができる高度専門医療人材を養成することを目的に、2012年に霞キャンパスのすべての大学院が統合され広島大学大学院医歯薬保健学研究科が設置されました。さらに2019年には、専門領域のみならず、その基礎となる生命・生物系科学や人文社会科学との連携・機能強化を図り専門分野の枠組みを超えて展開するため、医系科学研究科に再編され、これまで発展を遂げてきました。特に、「持続可能な発展を導く科学」に貢献できる人材を養成するため、医歯薬学専攻に4つの学位プログラム、総合健康科学専攻に5つの学位プログラムが設置され、分野横断的に幅広い研究分野に対応できる研究科となりました。

2023年11月に策定された「霞キャンパスの将来構想」において、医系科学研究科では「多分野融合の利点を活かし、国際化を進める」との基本方針が掲げられ、この方針に基づき、教育、研究、国際化の推進に取り組んでいます。教育面では、一層の授業の英語化・オンライン化を進め、社会人大学院生や遠隔地の大学院生の増加を図っています。研究面では、5つの学際的研究推進部会「がん・ゲノム医療」「脳・神経科学」「再生・免疫・感染・アレルギー」「老化・高齢者医療・生活習慣病・社会医学」及び「発生・発達・成長期医療」を通して、本研究科の特長でもある分野を超えた融合研究を推し進め、研究室間の関係強化を図り、協働的研究への発展や大型資金の獲得に努めています。また、2023年度発足のスマートソサイエティ実践科学研究院へ積極的に参画し、他の研究領域と連携した国際医療保健の研究を行うことでスマート社会の実現に寄与したいと考えています。国際化の推進に関しては、オンラインによる入学試験の実施およびオンライン授業を拡大し、留学生の確保を図る取り組みを継続します。また、海外大学との部局間協定の締結を推進し、交流の活性化を図ることで国際共著論文の増加を目指しています。

こうした取り組みを通して、医系科学研究科は広島大学が掲げる「100年後にも世界で光り輝く大学」へ向けて、その一翼を担うために、学生、教職員らが一丸となって邁進してまいります。今後ともご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

大学院医系科学研究科長 岡村 仁


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