環境遺伝生態学

丸山 史人 教授

【研究キーワード】
ゲノム微生物(ウイルス、細菌、真菌)、環境微生物、感染症、微生物生態、衛生微生物、バイオエアロゾル、建造空間微生物、バイオインフォマティクス、マイクロバイオーム

【最近のハイライト】
 微生物が微生物同士や共生宿主、環境と同相互作用(どのように相互作用)して生息しているのかの解明を、実験・ビックデータ解析の両面から取り組んでいます。 特に、微生物の気候変動への影響、居住空間の病原微生物動態、養殖場の抗生物質耐性に着目しています。
1.大量塩基配列データ解析を通じた、環境中の細菌叢および微生物動態解析による恒常性維持機構の研究
2.微生物間相互作用解析、ホロビオーム解析を通じた異常と正常性とのつながりに関する研究
3.比較(メタ)ゲノム解析による細菌進化と多様性の実験的・情報学的研究
4.微生物の人工混合体による環境デザインに関する基礎研究
5.培養による環境からの有用微生物探索(バイオプロスペクティングス)

研究者総覧へのリンク

【研究室主要論文】
・Evaluation of PCR conditions for characterizing bacterial communities with full-length 16S rRNA genes using a portable nanopore sequencer, Sci Rep., 10巻, 1号, pp. 12580, 20200728
・Continuation and replacement of Vibrio cholerae non‐O1 clonal genomic groups isolated from Plecoglossus altivelis fish in freshwaters, Environ Microbiol., 22巻, 10号, pp. 4473-4484, 20200816
・Population Structure and Local Adaptation of MAC Lung Disease Agent Mycobacterium avium subsp. hominissuis, Genome Biol Evol., 9巻, 9号, pp. 2403-2417, 20170901

【教育方針・研究室ルール】

基本方針:
研究はチームプレーであることを自覚し、個々人が器材、試薬、データ等共有リソースの適正な使用と管理に努めること。
自ら社会人であることを自覚し自分の行動に責任をもつこと。大学も社会の一部であり、研究室のルール以前に社会のルールに則って行動できること。
共有リソースの状況把握・知識、メンバーの研究に関する興味・知識、研究室全般の知識の理解に努めること。

研 究:
テーマの意義(やられていないからやるのではない。方法は目的ではない)を理解する。
研究を自発的に行うこと。(自ら考え、相談・話し合う)
研究は、実験と同義ではなく、熟考してから実施すること。(研究デザイン、結果を受けた再考を常にする)
「失敗」の理由を考えてから進むこと。(テクニカルエラーでも、そのテクニカルエラーの原因、対処を決める。仮説に従わなかったというのは、失敗ではない。また、「使えない」データではない。出てきたデータについて必ずメンバーと相談し、個人でデータの廃棄を決めない)
個々人のリソース、研究室のリソースは時間も含めて有限であることを心に留めること。(予算等は社会的な責務も負っている)
故意または重大な過失が原因で壊した機器、損失した試薬等については弁償していただく場合がある。
有限である時間の使い方を考えること。(1週、1月、3ヶ月、1年間、3年間等の予定、結果のまとめをもとに、次のステップを相談して決定すること)
卒論、修論、博論に尊卑はなく、期限や要件の違いしかないことを知ること。成果は、研究国際誌上に掲載される心構えを持つこと。

研究室生活:
朝は9時までには来ること、担当者は速やかに掃除等を済ませること。(この時間に間に合わないときはすみやかに連絡する)
夜は21時以降許可無く研究室に残らない。(危険性、データの信憑性への配慮)必要時はあらかじめ申請する。
自発的にホウレンソウ(報告・連絡・相談)をすること。(不在時の緊急連絡先は必ずあらかじめ研究室のメンバーに伝えておく)
一般社会規範・常識をもって行動すること。(無理なバイトの禁止など。大学は遊び場ではないことに留意)

安全管理:
研究室には危険性があることを認識すること。機器の使用法・危険性を認識し、毒・劇物の管理、実験ベンチ上の試薬の置き方、危険なゴミの分別等研究室のルールに必ず従うこと。
試薬管理(管理簿、元の場所に戻す等)、ガス、水道、電気の確認を忘れないこと。
研究室外・学外の人間を許可なく研究室に入れないこと。(窃盗、研究の遅延、不慮の事故などの回避のため)各部屋の鍵の管理に気を配ること。
体調不良の時は無理をせず、帰宅すること。その際は必ずメンバーに帰宅することを伝えること。(自己回復を早めるだけではなく、他人への感染防止、集中できないことによる実験失敗の防止等のため)

最後に:
研究室で過ごした後、研究で得た目に見える客観的な成果、技術、知識だけではなく、物事の考え方、捉え方、プロセスも幅広い社会における人付き合い、仕事、生活に役立っていると感じてもらえたら嬉しいです。
 

【研究内容】
微生物が微生物同士や共生宿主、環境とどのように相互作用して生息しているのかの解明を実験・ビックデータ解析の両面から取り組む。
 特に、気候変動と微生物(感染症)との関係、居住空間の病原微生物ゲノム動態、養殖場の病原微生物・抗生物質耐性、に着目している。
 この枠組み中で、i) 大量塩基配列データ解析、バイオインフォマティクスを通じた、環境中の微生物群集(マイクロバイオーム)動態解析による恒常性維持機構の研究、ii) 微生物間相互作用解析、ホロビオーム解析を通じた異常・正常性状態定義に関する研究、iii) 比較(メタ)ゲノム・エピゲノム解析による細菌進化と多様性の実験的・情報学的研究、iv) 微生物の人工混合体による環境デザインに関する基礎研究、v) 環境(バイオエアロゾル)からの有用微生物探索(バイオプロスペクティングス)、に取り組んでいる。
詳細は以下を参照:
https://mge.hiroshima-u.ac.jp

研究室の様子や研究内容の詳細を動画にて公開しております。
ぜひご視聴ください。


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