アメリカやカナダにおける原爆・核エネルギーをめぐる言説あるいは文化表象を研究対象とし、帝国主義・植民地主義の歴史的文脈や環境的視座などから研究している。特に、北米先住民作家やアーティストが、原爆、ウラン鉱山、核施設、原発、核廃棄物の問題をどのように文学・映像・芸術作品にとりいれているのかを、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアル理論、環境正義などの学際的アプローチから分析してきた。授業では主に現代アメリカ文学作品をとりあげ、作家や作品に関する歴史的文化的コンテクストや、人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティ、植民地主義、環境問題など幅広いテーマについて考えることに重点を置く。また、文学作品の複雑な位相を理解するための複眼的かつ批判的な視点を養い、自らの疑問点や関心を探究する場を目指す。

• “Indigenous Anti-Nuclear Literary Resistance: Jim Northrup’s Satire and Anishinaabe Trans/nationalism.” The Journal of Transnational American Studies. Vol. 11, Issue 2, 2020.
• “Trinitite, Turquoise, and Rattlesnakes: Envisioning the (De)Nuclearized Desert in the Works of Leslie Silko and Kyoko Hayashi.” Reading Aridity in Western American Literature. Jada Ach and Gary Reger, editors. Lexington Books, 2020, pp. 195-222.
• 『北米先住民作家と〈核文学〉—アポカリプスからサバイバンスへ』英宝社、2019年
• 『トランスパシフィック・エコクリティシズム—物語る海、響き合う言葉』彩流社、2019年 ［共編著］
• 『エコクリティシズムの波を超えて—人新世の地球を生きる』音羽書房鶴見書店、2017年［共編著］