溝渕 園子[詳細]

略歴

1970年生、香川県立丸亀高等学校卒業、東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒(1993)、同大学大学院地域文化研究科博士前期課程言語文化コース日本専攻修了(1996)、同研究科博士後期課程単位取得満期退学(2000)、熊本大学文学部専任講師(1999)、同准教授(2007)、広島大学大学院文学研究科准教授(2012)、ロシア科学アカデミー世界文学研究所派遣(2004-2005)、広島大学大学院文学研究科教授(2018)。

 

教育・研究内容

  「日本文学」を比較文学の視点で相対化する際、文学の世界史への意識が求められよう。授業では、文学の多様性を重んじるとともに、それらをつなぐ糸である共通性も重視しつつ、世界文学の見地から近現代日本文学の再検討を試みる。文学の基礎を成す言語についての理解力を前提とした上で、学生の文学的関心も考慮した研究指導を行う。研究面では、日本とロシアとの関係を主軸に、近現代の言語文化の越境をめぐる諸問題を比較文学的に考察してきた。従来の受容論/影響論のほか、異文化表象や翻訳文学、ジャンル間交渉などに着目しながら、制度としての文学を問うようなインターカルチュラルな研究をめざしている。

主な研究業績

  • 「日露戦争期の少女雑誌における領域としての〈ロシア〉―「少女界」を例に―」『文学部論叢』103,pp.153-163,2012年
  • 「ロシアが見た「坊つちゃん」」日本比較文学会編『越境する言の葉―世界と出会う日本文学』彩流社,pp.341-349,2011年
  • 「混じりあい分裂するテクスト―水村美苗『私小説―from left to right』を読む―」熊本大学文学部研究推進・地域連携委員会編『越境する精神と学際的思考―熊本大学21世紀文学部フォーラム叢書1―』熊本出版文化会館,pp.42-65,2010年
  • 「恐露病の想像力―『それから』における<ロシア>―」坂元昌樹ほか編『漱石と世界文学』思文閣出版,pp.232-250,2009年
  • 「ロシア文学における日本人表象―ピークリ『オキヌさんの物語』を中心に―」『比較文学』47,pp.102-113,2004年


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