白井 純[詳細]

略歴

教育・研究内容

日本語史、とくにキリシタン語学を専門とし、近年はキリシタン版の印刷技法を単なる技術的・出版文化史的特徴としてではなく、木版が主流だった日本で最も早い金属活字印刷技法がどのように日本語の文字や表記に対応したのかという言語学的観点から位置づけ、印刷技法と言語表現との相関という観点から研究している。その他、宣教師の日本語学習、漢字辞書「落葉集」の編集方法、連綿や変体仮名を用いた表記の特徴などが主な研究課題である。また、出版文化史への関心から、近世後期の藩校蔵書の形成と伝承についてフィールドワークを継続的に行いつつ、旧藩による出版物(藩版)の特徴について調査と分析を行っている。教育に関しては、キリシタン版の文献学に関するゼミ、現代語を主な対象とする日本語学概論、日本語の歴史的変化を扱う日本語史などを担当するほか、調査班を組織してフィールドワークを行う。

主な研究業績

  • 『キリシタン語学入門』八木書店(2020)、[岸本恵実と共編]
  • 『リオ・デ・ジャネイロ国立図書館蔵 日葡辞書』八木書店(2020)、[エリザ・タシロと共編]
  • 「落葉集本篇の掲載語彙について―古本節用集との比較をとおして―」、『訓点語と訓点資料』139輯、訓点語学会(2017)
  • 「キリシタン版の刊行と日本語学習」、福島金治編『学芸と文芸 生活と文化の歴史学9』竹林社(2016)
  • 「松本藩版「兵要録」─活字本から整版へ─」、鈴木俊幸・山本英二編『信州松本藩崇教館と多湖文庫』新典社(2015)
  • 『ひですの経』八木書店(2011)、[折井善果、豊島正之と共編]
  • 「キリシタン版の連綿活字について」、『アジア・アフリカ言語文化研究』76号、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(2008)


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