口腔先端治療開発学(口腔検査センター)

加治屋 幹人 教授

【研究キーワード】
間葉系幹細胞、多能性幹細胞、3次元培養、細胞治療、口腔診断マーカー、Precision Medicine

【最近のハイライト】
口腔は、消化管の最前線に位置する器官であり、細菌・化学・温度刺激・外傷力など様々な因子にさらされ、炎症性組織破壊や腫瘍化が生じやすい状態にあります。このような不可逆的な組織喪失に至る疾患に対して、幹細胞と3次元培養を組み合わせることで、組織再生に有効な細胞構造体の開発研究を行っています。また、病状のみならず、治療に対する反応性を診断可能な新規マーカーを分子レベルで同定し、患者さん個々人に最適な口腔治療の提供を目指しています。

研究者総覧へのリンク

【教育内容】
重度歯周炎による歯周組織喪失や腫瘍摘出に伴った顎骨喪失に対して、効果的な治療法は未だ存在しません。また、自己免疫疾患・抗がん剤・放射線治療などに伴う唾液腺委縮・粘膜炎・顎骨壊死等の組織破壊疾患にも有効な治療法はありません。一方、近年の科学の急速な進歩によって、幹細胞・次世代シークエンサー・遺伝子編集・3Dプリンタ・AIが利用可能となり、理論上あらゆる再生医療が実現可能と考えられ始めています。
そこで、現在の歯科医療における未解決疾患の病態機序を分子レベルで理解し、次世代の科学技術を駆使することでその解決策を自ら見出し、それを臨床の場に展開できる若手歯科医師の育成を目指します。

【研究内容】
現在までに有効な治療法が無い難治性口腔疾患に対して、幹細胞を用いた新規治療法開発を行います。さらに、患者ごとの環境因子・遺伝因子による口腔の違いを反映する検査マーカーを確立し、それに基づいた個々人に最適な医療提供の実現を目指します。

  1. 幹細胞とその細胞外微小環境を制御する3次元培養を用いた組織再生に有効な細胞構造体開発
  2. 細胞構造体・マイクロデバイスを組み合わせ、病態解明・創薬開研究に有効な口腔を模倣する培養システム樹立
  3. 患者ごとの口腔疾患発症程度から治療反応性まで予測できる新規マーカーの同定と、それに基づく最適医療開発


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