姫野 柚葉(2024年12月時点 3年生)

ゼミ活動紹介

私は主にデータ分析を行うゼミに所属しています。私の研究室では、金融リテラシーや貯蓄といった経済学的な指標と、人の性格などの心理学的な指標との関連性を、データ分析ソフトを用いて分析しています。ゼミに入った当初は、パソコンの使い方すらおぼつかず、デジタルの基礎知識もほとんどありませんでした。しかし、先生や先輩方が一から丁寧に指導してくださったおかげで、全くの初心者だった私でも、夏休みまでの約3か月でソフトを何とか扱えるようになりました。
 

夏休みには、身につき始めた分析スキルをもっと活用したいと思い、ゼミの仲間と一緒に懸賞論文に挑戦することにしました。テーマは「人の衝動性が老後の貯蓄に与える影響」についてです。一見関係がなさそうに思える二つの要素ですが、研究を進めるうちに、衝動性が高い人ほど老後の貯蓄が少ない傾向にあることがわかりました。この結論に至るまでに、1か月以上もの時間を費やしました。研究者としての勘も分析スキルも未熟で、すべてが手探りの状態だったからです。しかし、その分、結果が出たときの達成感は格別でした。それはまるでマラソンのようで、途中は苦しく先が見えないものの、ゴールにたどり着いたときには、それまでの苦労が報われるような爽快感と喜びに満たされました。
 

また、この過程では、院生の先輩から文章の添削や分析の進め方、先生へのメールの書き方まで、手厚く指導していただきました。一つの論文をゼロから完成させるためには、先生や先輩方の支えが不可欠でした。そんな学ぶ意欲を全力で応援してくれる環境には、感謝の念しかありません。
大学は高校までとは異なり、一律に授業を受ける場は少なく、時間割も自分の興味によって自由に決めることができます(学部によって必修科目の数は異なりますが)。大学は学びを強制されることもなく、自ら学びたいという気持ちを何よりも尊重してくれる場所です。
 

今年から共通テストに情報科目が加わり、ITやデジタルがこれまで以上に身近になると思います。私は高校時代に文系を選択し、大学も文系の学部に進みましたが、実際に取り組んでいることはITデジタルなど理系の分野にも関わる内容です。文系の進路を選んだからといって、理系・文系の枠にとらわれる必要はありません。自分の興味や関心を大切にし、垣根を越えて学びたい分野に挑戦していただければと思います。


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