就職活動・公認会計士の資格取得
はじめに、広島大学経済学部に興味を持っていただき、ありがとうございます。広島大学経済学部4年の山下雅裕と申します。私は大学4年の8月の公認会計士試験に合格し、四大監査法人の一つから内定をいただきました。ここでは、大学生活と資格勉強について、私の経験をもとにご紹介します。
皆さんは公認会計士という資格をご存じでしょうか?あまり馴染みがないという方もいらっしゃるかもしれません。そこで、公認会計士とはどのような資格なのか簡単に説明します。公認会計士は会計・監査の専門家です。そして、公認会計士にしか行えない独占業務として財務諸表監査があります。財務諸表監査とは、企業などが作成する財務諸表が適正であるかどうかを独立した第三者の立場から調査し、意見を表明する仕事です。この財務諸表監査を通して、財務情報の信頼性を確保し、国民経済の健全な発展に寄与することが公認会計士の使命です。私が公認会計士を志したきっかけは、このような公認会計士の有する専門性と社会的役割の重要性に魅力を感じたためです。
そして、公認会計士試験は年に2回実施される短答式試験(一次試験)と、年1回の論文式試験(二次試験)に分かれています。最終合格率は10%を下回る難関資格であるため、独学での合格は難しいとされています。そのため、私は大学1年の冬から放課後に資格予備校の通信制コースで授業を受けるダブルスクール形式で学習を進め、大学の講義以外の時間のほとんどを資格勉強に充てました。その結果、短答式試験は3回目の受験となる3年生の12月に合格し、翌年8月の論文式試験にも無事合格することができました。合格までの総学習時間は約4500時間でした。
このように難関な公認会計士試験ですが、広島大学経済学部での学びは会計士試験にも役立ちます。経済学部では、簿記や会計学に関する基礎的な講義があり、試験科目と重なる内容も多くあります。これらの講義を受講して会計士としての適性があるのか判断してみても良いかもしれません。さらに、私は論文式試験の選択科目として「経済学」を選択しました。多くの受験生は「経営学」を選択する中で、大学での学びを通して経済学の基礎がしっかりと身に付いていたため、他の受験生よりも選択科目の学習時間を短縮することができました。広島大学経済学部の講義をしっかりと履修していれば、公認会計士試験の経済学の範囲は十分にカバーできると思います。
ここまで読んでいただいた方の中には、資格勉強に取り組むと自由な時間がなくなってしまうのではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、周囲の友人たちと比べると自由な時間は少なくなりますが、工夫次第で充実した学生生活を送ることも可能です。私は学習を計画的に進めることで、資格勉強の期間中でも定期的に友人と食事をしたり、旅行に行ったりもしました。意識して友人と過ごす時間を作ることで、充実した学生生活を送りつつ、モチベーションを保って資格勉強をすることができます。 大学と資格取得の両立は決して簡単なものではありません。それでも、合格すれば将来の選択肢が大きく広がりますし、資格の勉強を通して自己管理能力や目標に対して努力する力を養うことができます。ぜひ、大学入学後は資格取得も選択肢の一つとして考えてみてください。
最後になりますが、広島大学経済学部は、私のように公認会計士や税理士といった難関資格の取得を目指す学生だけでなく、公務員を志望する学生、多様な業界への民間就職を目指す学生、大学院進学を希望する学生など、多様な進路を選択することができる学部です。経済学部で学ぶことで、さまざまなキャリアパスを追求することができます。皆さんが充実した大学生活を送り、将来の目標に向かって進まれることを心より願っています。
