全くの知識ゼロからのスタートでしたので、就職してからは、様々な設備メーカーとの打合せや社内の各部門との会議を円滑に実施する為、各分野の基礎知識から習得していく必要がありました。学生の頃は教室に座って授業や教科書に従っているだけで相応の知識を得られていましたが、今度は自分からそれを習得しに赴く必要があります。必ずしも教科書があるとは限らず、それに気づいて自分から情報収集できるようになるまでが特に当時は大変だったと感じています。

　幼少からロボットアニメが好きなこともあり、メカやシステム構築に関係のある仕事がしたいといった漠然とした思いで工学部第二類に進学しました。研究室では、主にCMOS回路を用いて車両の対物センサーのシステムを製作する研究を行なっていました。現在の仕事に直結しているわけではありませんが、関連する基礎知識や教授から教えて頂いた考え方は今でも事あるごとに役立っています。

　一方で在学中は興味のあるイベントに行ったりその為にアルバイトをしたりと、留年する程度には学業よりそちらを優先していました。それでも、社会人とのコミュニケーションの場をもち興味の視野を広げられたという点では、代えがたい経験を得られたと思います。

　興味のある分野にのめり込んだり、それまで知らなかったことに関心を持ったり、いろんな体験をして、たくさんの情報を得て、人生の選択肢を増やしていける環境にあるのが広島大学の最大の強みだと思っています。最終的に就職先の業務に直結はしなくとも、それまでの経験は必ずどこかで活きてきます。ぜひ学生生活を楽しみながらも視野を広げ、自分の行く先を考えてみてください。