• ホームHome
  • 工学部
  • ひらめき☆ときめきサイエンス「気球を使った環境観測を学ぼう! -10回記念-」を開催しました

ひらめき☆ときめきサイエンス「気球を使った環境観測を学ぼう! -10回記念-」を開催しました

集合写真

 
2017年8月11日(祝)に,ひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~ KAKENHI「気球を使った環境観測を学ぼう! -10回記念-」を,本学(東広島キャンパス内)にて開催しました。

このイベントは,独立行政法人日本学術振興会(JSPS)の社会還元・普及事業の1つとして,当輸送・環境システム専攻の作野裕司准教授が実施代表者を務め(実施分担者は同専攻の田中義和准教授ならびにその他実施協力者7名),今年度で10年連続開催になる節目のイベントとなりました。
 

開催当日は朝から晴天に恵まれ,21名の受講生(小学5・6年生13名と中学生8名)にその保護者の方々等を合わせて,総計50名が参加されました。当初の予定通り午前10時より,工学研究科(工学部)大会議室にてイベントを開始して,最初に科研費や日本学術振興会についての説明を行い,その後,講義・体験学習を行いました。

(会場の様子)

 
午前中の講義では最初に,主に気球に搭載される「カメラ」の仕組み(手を触れずに色,形,温度を測る方法)について紹介しました。まず「Google Earth」の最新の使い方を説明した後,広島大学の気球観測について,過去のテレビや新聞での報道をパワーポイントで映しながら説明を行いました。ここでは受講生が身近に使っているカメラの仕組みについて学んだ後,人工衛星から写真を撮る道具としての分光計の仕組みを実感してもらうために,CD分光計を自作してもらいました。受講生は自作したその分光計を使って,太陽の光が虹色に分光する様子を熱心に観察していました。

(CD分光計の製作と解説の様子)

 
次に,立体画像について紹介して,毎年好評の青赤メガネを使った立体視体験をしてもらいました。午前中の最後は手を触れずに温度が計れる「サーモグラフィー」の実験も行いました。

(サーモグラフィーによるお湯の対流実験の様子)

 
午後の講義では,風船の浮力を体験することから始めました。まず,毎年好評の映画「カールじいさんの空飛ぶ家」をまねた模型の家を風船で飛ばす実験を行いました。模型の家には広島大学総合博物館のキャラクターである「Hirog君」を取り付け,何個の風船(約6gの浮力)でこの家(約100g)が飛ぶかを実験しました(計算では17個の風船によって浮き上がるはずでしたが,予想外に17個を超えても浮き上がりませんでした)。風船を追加してようやくこの模型の家が浮き上がると,会場からは大歓声が上がりました。

(「カールじいさん」の浮力実験の様子)

 
講義の後,今度は外に出て本物の環境観測用気球に対面してもらいました。当日は猛暑であったため,講義棟玄関の屋根のある場所で体験学習を実施しました。まず風船で実感した浮力を実際の気球の浮力と比べてもらうため,参加者全員が気球のロープを引っ張りその浮力の大きさを体験してもらいました。そしてその場で気球を上空約100mまで上げました(なお,安全のため参加者にはヘルメットをかぶってもらっています)。気球をバックに参加者全員で記念撮影をしました。さらに今年も,広島大学が所有する空撮用ドローンの飛行も短時間見てもらいました(ただし,受講者に危険が及ぶ可能性があるので,飛行は1m程度の高さまでに制限しています)。その後,再び室内に移動して,外で上げた気球から撮影したビデオ映像を鑑賞しました。画像には,直前に上空から映したその地上の映像が映っており,受講生は上からの画像に感心して見入っていました。

(屋外での体験学習と空撮映像鑑賞の様子)

 
イベントの最後には,受講生全員に未来博士号を授与しました。受講生は皆,嬉しそうな表情で未来博士号を受け取っていました。
 

今年は盆休み前の祝日開催だったためのようで例年と比べて同伴者が多かったことから,今後も同時期の開催を目指しています。内容としては昨年から取り入れたクイズやCD分光計制作が教材として好評でした。受講生が自主的に科学を考える良い経験になったようで,今後もこのような制作教材を充実させることが重要と考えます。

このイベントに関する問い合わせ先

 大学院工学研究科 輸送・環境システム専攻(耐空耐航性能研究室
​ 准教授 作野 裕司
 TEL: 082-424-7773
 


up