西日本豪雨災害で土石流が発生した広島県熊野町で土石流センサーの検証実験がスタートしました

現地見学の様子

現地見学の様子

2018年7月の西日本豪雨で土石流に襲われた広島県熊野町川角地区の渓流で、広島大学などが開発したワイヤレスの土石流センサーを用いた早期検知システムの検証実験が始まり、2020年2月19日、実験の様子が報道関係者に公開されました。

この土石流センサーは、広島大学防災・減災研究センターと株式会社計測リサーチコンサルタント(広島市)が共同で開発。同年1月、渓流で発生した土石流をリアルタイムで検知できるように、大原ハイツ山側の渓流内5カ所に計10個を設置しています。センサーの傾斜計から得られたデータを基に土砂の動きをモニタリングし、IoTを活用してワイヤレスでクラウドに上げて、行政や住民が簡単にパソコンで確認できるよう運用していくことを目指しています。今後3年間モニタリングを継続し、豪雨時の渓流における土砂の動きの計測・監視技術、モニタリング結果をわかりやすく表示し早期避難に活用する技術の開発を進める計画です。

現地公開に先立って行われた記者説明会で、土田センター長は「見えにくい斜面の動きを可視化することで、早めの避難に加え、避難が遅れた住民に対して危険回避行動を促す緊急情報として活用できるようデータを蓄積していきたい」と述べました。また、説明会に同席した「大原ハイツ復興の会」の役員の方は「早く研究を進めていただき、実効性のあるシステムにしてほしい」と期待していました。

検証実験は熊野町総務部危機管理課、川角大原ハイツ自主防災会、大原ハイツ復興の会、技術士会中国本部防災委員会の研究協力を得て実施しています。

本研究成果は、科学技術振興機構西日本豪雨復興支援(A-STEP機能検証フェーズタイプ)」により実施したものです。

検証実験について説明する土田センター長

検証実験について説明する土田センター長

記者説明会会場の様子

記者説明会 会場の様子

土石流センサー設置現場に向かう報道関係者

土石流センサー設置現場に向かう報道関係者

現地で検証センサーについて解説する土田センター長

現地で検証センサーについて解説する土田センター長

【お問い合わせ先】

広島大学学術・社会連携企画グループ

E-mail: sangaku-renkei*office.hiroshima-u.ac.jp (注:*を半角@に変換してください)


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