広島大学の学生・卒業生らが魚類図鑑「緑の火山島 口永良部島の魚類」を制作・出版しました

広島大学大学院生物圏科学研究科生物資源科学専攻水圏資源生物学研究室の学生、卒業生らが中心となって鹿児島県口永良部島の魚類図鑑を出版しました。

チャリティーTシャツを着用して記念撮影

鹿児島県口永良部島は屋久島の北西12kmに位置する人口100人ほどの火山島。当研究室は1970年から現在までそこで魚類生態研究を行い、多くの学術的成果を世界に向けて発信してきました。

そんな中で発生した2014、2015年の噴火により、全島民が島外へ避難を余儀なくされるなど被害を受けました。当研究室ではチャリティーTシャツを販売し、収益をすべて義援金として寄贈するなどの支援活動を行ってきました。
現在では復興が進み、島民の方々の生活は元に戻りつつあります。しかし口永良部島に対するイメージはまだ「噴火している危ない島」が残っているように思えます。
この問題を解決するため、口永良部島の魅力の一つである海、生息する魚類の多様さをアピールすることを目標とし、魚類図鑑の出版を目指しました。

この図鑑は、2011-2017年にかけて他研究機関および島民との共同研究によって口永良部島から686種の魚を確認し、全ての写真を掲載。加えて、図鑑には珍しく研究者、学生が書き下ろした魚類に関するコラムや口永良部島島民の方々による歴史・生活・風土がうかがえる寄稿文やインタビューも多数掲載しています。

本書により、島内での教育、伝統継承への活用や地球規模の環境変化による魚類の生息状況の把握だけなく、島のよさを多くの人に知ってもらい復興支援に繋がることを期待しています。

本調査では24目115科317属686種の魚種を確認

新種エラブスミヤキ(Neoepinnula minetomai)

本の出版を記念して、2月9日に記者説明会を開催

【お問い合わせ先】

大学院生物圏科学研究科 博士課程後期2年 坂上 嶺(さかのうえ れい)

E-mail: E-mail:rei-dascyllus*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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