2009年度第2回センターフォーラム「フィールドと遺伝子研究」を開催しました



平成22年1月19日(火)、生物圏科学研究科において2009年度第2回センターフォーラム「フィールドと遺伝子研究」を開催いたしました。



本研究科には、フィールドワークをタフにこなしつつ,最先端の遺伝学的研究に挑戦されている教員の方々、大学院生、学部生がたくさんいます。



そこで、今回は生物圏科学研究科に所属し、このような分野でご活躍の方々に三つの演題を提供いただきました。



西堀正英先生の「ニワトリ-フィールド調査からラボワーク、興味から研究まで-」においては、我々にとって身近な家禽であるニワトリの起源についてお話ししていただきました。ニワトリの起源といわれる東南~南アジアでの鬼気迫る野外調査と実験室での根気強い遺伝子解析の結果をユーモアたっぷりに話してくださいました。



三宅優子さん、国吉久人先生らによる「魚類の性転換-社会関係が性を決める」では、我々が「性」というと生前からリジットに決定されているイメージがあるのですが、キュウセンというベラ科の魚では社会構造が遺伝子発現の有り様を決定する可変的なものであるというお話で、既成概念を根底から揺さぶる衝撃的なお話でした。

下埜敬紀さんらによる「海の外来種のオリジンは何処に?−サンフランシスコ湾に導入された東アジア産プランクトンの起源を遺伝子から探る」では、東アジア産プランクトンがバラスト水によって北米に導入されたため、現地の生態系が破壊された現状と東アジアのどこに起源があるのかを遺伝子を用いて明らかにした研究成果でした。採集では西日本各地、中国、韓国、サンフラシス

コに自らの足で赴き三年間以上もかけて実施したものでした。



参加者はほぼ100名で大盛況でした。



(文: 生物圏科学研究科 教授 大塚 攻)


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