日本鶏資源開発プロジェクト研究センターの活動が新聞掲載されました





広島大学日本鶏資源開発プロジェクト研究センターが目指す、「国産高性能実用鶏の開発」に関する記事が、平成22年8月25日付けの「鶏鳴新聞」(※養鶏等に関する専門・業界紙)に掲載されました。同センターでは、日本鶏を用いて、鶏卵・鶏肉生産において有効活用できる遺伝子を探しています。

現在の我が国における鶏卵・鶏肉の自給率は、それぞれ95%および70%程度と公表されていますが、この数字にはカラクリがあり、実際には共に10%未満です。



多数、多量の鶏卵・鶏肉が、普通にスーパーマーケット等で販売され、我々がその恩恵に浴しているのは事実ですが、これらの鶏卵・鶏肉を生産しているニワトリ(コマーシャル鶏と呼びます)のさらに元となるニワトリ(種鶏、原種鶏、原々種鶏などと呼びます)は、ほぼ全て欧米より輸入されています。



輸入が多いのは、鶏卵・鶏肉生産に関し高性能をもつ実用鶏が我が国にほとんど存在しないためです。

このような状況では、もし何らかの理由(例えば防疫上の問題とか)で輸入がストップすれば、我が国の食卓からほとんどの鶏卵・鶏肉が消え去り、国民が困窮することになります。そのような事態は避けねばなりません。

広島大学日本鶏資源開発プロジェクト研究センターでは、我が国の食料安全保障の観点から、欧米が保有する高性能実用鶏と同等以上の性能をもつ、我が国独自の高性能実用鶏を作出すべく研究を行っています。

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また、平成22年8月8日付けの中国新聞には、日本鶏資源開発プロジェクト研究センターの

活動の一端が掲載されました。



同センターでは、広く日本鶏遺伝資源の保護・保存・研究を行っていますが、その一環として、

国の特別天然記念物・オナガドリの研究があります。


近年、オナガドリの原産地である高知県南国市において、止雄(とめおす:尾を伸ばすために

特別飼育されるオス鶏)の尾の伸び悩みが指摘されていましたが、同センターのDNA研究により、

その原因が突き止められました。



現在、同センターは、この問題解決のための研究を開始しています。
白色オナガドリの尾の生え方を調べているところ
   車上の止箱(とめばこ:オナガドリの特別飼育箱)




<この研究に関するお問い合せ>



家畜育種遺伝学研究室  教授 都築 政起

TEL: (082)424-7950 / Email: tsudzuki@hiroshima-u.ac.jp (@は半角に変換してください)


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