研究科長挨拶

馬場卓也

馬場卓也(Ph.D、大学院国際協力研究科研究科長、教授)

広島大学大学院国際協力研究科(International Development and Cooperation: IDEC)は、広島大学の理念5原則に基づき、途上国の課題解決に取り組む人材を育成することをミッションとして1994年4月に創設されました。爾来、世界中から第一線の研究者と優秀な学生を集め、国際環境協力、国際平和協力、国際教育協力の3つを柱とした国際協力学の分野で卓越した拠点を形成してきました。

国際社会は、昨年、共同で取り組んできたミレニアム開発目標の達成度をレビューし、開発途上国の発展に一定の成果を上げてきたことと、しかし未だ多くの問題を抱えていることを再確認しました。そして2030年に向けて、包摂性、持続可能性、レジリエンス(強靭性)を重視した「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げました。開発系大学院としてIDECは、アジア・アフリカ地域を中心にこの開発目標の実現に貢献すべく、教育研究活動に取り組んでいます。

たとえば、今なお国際社会は、平和構築プロセスを通した社会の安定化、経済発展と貧困削減の実現、環境保全とエネルギー問題の解決、教育の量と質の充実による社会全体の能力形成など、多くの課題を抱えています。IDECではこれらの課題解決に資するため、環境・教育・平和をキーワードとした実践的、学際的な研究アプローチによって、グローバルリーダーの育成に取り組んできました。具体的には2002年度に開始したJICA青年海外協力隊と連携したザンビア特別教育プログラム、2003年度より継続してきた文部科学省21世紀COEプログラムおよび科学技術戦略推進費「低炭素社会を設計する国際環境リーダー育成プログラム」、2005年度より文部科学省特別教育研究経費により展開してきた「平和構築連携融合事業」、2011年度よりテキサス大学オースティン校(LBJ-UT/A)と共同で行う「日米複数学位(修士号)プログラム」、さらに、2013年度より文学研究科、工学研究科他とともに実施している5年一貫博士課程プログラム「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」など非常にユニークな試みの数々です。

その結果、設立以来、1,489人が修士の学位を、319人が博士の学位を取得し、グローバルリーダーとして国際社会で活躍しています。また2016年2月現在、計40ヶ国から305人の留学生が学んでいます。今後ますます複雑さが増す国際情勢の中で、IDECでは、2013年度に採択された文部科学省国費外国人留学生の優先配置を行う特別プログラムを契機として、これら過去と現在と未来の学生、さらに多くの関係者・機関をつなぐことで、世界に広がるグローバルコンソーシアムを形成し、多くの皆様と協働していけることを祈念しております。


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