平和共生コース

国際社会と地域社会における協力により、紛争の予防と解決、平和構築、ひいては人間の安全保障と共生の道を探ることを目的とします。このため、平和共生コースでは紛争後の地域での研修、他の国際協力機関と連携した研究など、様々な試みを行なっています。

平和構築論 Peacebuilding

平和構築論

○国際社会および現地社会による永続的な平和の確立に向けた努力

授業の目標は(1)平和構築の様々な活動について学び、(2)平和構築論の変遷を理解し、(3)平和構築について考えることを通じ平和そのものの理解を深めることである。授業では平和構築の多様な分野や問題を取り上げ、潜在性、効果、難点を検討する。紛争にはそれぞれの性格があり、一つのモデルをすべてに当てはめることはできない。しかし、これまでの取り組みと議論を学ぶことにより、今後の新たな状況に対応する力を高めることに繋がる。

平和と紛争研究 Peace and Conflict Research

平和と紛争研究

○グローバル社会における平和と紛争の諸課題について、安全保障、グローバル・ガバナンス、平和構築などの観点から研究

「平和と紛争研究」では、現代武力紛争の特質や、かかる紛争解決の理念と仕組みについて、国際関係論の立場から読み解くことを目的として講義を実施します。紛争研究、平和構築研究、紛争解決研究、など、関連する複数の研究視点から、グローバルとローカルの双方に関わる平和と紛争の問題について取り組みます。本講義は英語で実施され、参加者のディスカッションを通じて、双方向型の学びを実現します。毎回の講義を通じて、受講者には事前にリーディング・マテリアルの読了を求め、その上でショート・ペーパーを作成をしてもらっています。講義のディスカッション時には、このショート・ペーパーを互いに披露し、具体的論点を深堀りしていくことになります。権威主義国家と失敗国家では紛争解決や平和構築でどのような相違があるのか?欧州の安全とはいかなる意味で実現できるのか?アフリカにおけるセキュリティ・ガヴァナンスは可能か?リベラル・ピースビルディングの意義と課題は?など、議論は多岐にわたります。

平和学 Peace Studies

平和学

○広島・長崎,セミバラチンスク等の核被害の解明

平和学における基本的な諸理論を理解すると同時に、平和学の視点から広島・長崎を含むグローバル核被害の実態について理解を深める。また、グローバル核被害の視点からフクシマについても考えたい。

協力外交論 Cooperative Diplomacy

○戦後保守政治家の外交政策

戦後日本の政治・外交をめぐる諸問題の分析を通じて、現在の問題解決の糸口を探る。

国際安全保障論 International Security

○核軍縮・不拡散、大量破壊兵器の拡散阻止等に関する外交・安全保障政策研究

(1)核兵器など大量破壊兵器の軍縮・不拡散、(2)東アジアの安全保障、及び(3)グローバル化の進展に伴う新しい安全保障課題について様々な観点から議論し、理解を深める。講義と議論を通じ、(a)他国の軍事的脅威から国を守る「伝統的安全保障」、及び (b) 気候変動、非国家主体によるテロ等の越境的脅威から国を守る「非伝統的安全保障」に関する現代の課題について、履修者がよりよく理解し、歴史的、論理的な議論ができるようになることを目標とする。

国際政治学 International Politics

○グローバルな政治秩序の形成と展開の中へのアジア地域世界の政治秩序の位置づけと分析

グローバルな世界政治秩序の形成と展開の中に、アジアにおける地域世界の政治秩序を関連づけながら考察する。とくに東アジア世界の政治秩序と南アジア世界の政治秩序を、いくつかの問題領域に焦点を当てながら比較し、それぞれの特徴を明らかにする。また、発展途上国の民主主義をめぐる諸問題にも注目する。これらを通じて、今日の世界政治の動向と、その中での発展途上地域の政治的動向を分析する力の獲得を目指す。

紛争解決論 Conflict Resolution

Conflict Resolution

○ 紛争解決メカニズムとその課題を理解する

紛争が発生する原因と文脈はそれぞれ事例により異なるため、適切な紛争解決手段も事例に応じて異なる。このクラスでは、紛争の発生要因を含む紛争解決論の基本理論を学ぶとともに、武力紛争の事例を通じて、紛争が解決されるために必要な要素を検討する。

武力紛争のミクロ的基礎 Microfoundations of Armed Conflicts

○ 交渉の失敗としての武力紛争,交渉の過程としての武力紛争

なぜ,武力紛争が生じるのだろうか。なぜ,さもなくば不要な人的・物的なコストにもかかわらず,係争の当事者はときに武力紛争を回避する交渉に失敗するのだろうか。なぜ,ある紛争は数ヶ月のうちに終結し,他の紛争は何年も続くのだろうか。どのような要因が,紛争の継続期間・結果を規定するのだろうか。戦争の交渉理論は,紛争の生起・継続・終結を,政治的な交渉過程の一部として捉える。この講義では,紛争前および紛争中の交渉過程に着目しつつ,武力紛争の原因・動態を巡るこれらの問いにアプローチする。


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