山田 宏

山田 宏

教授
山田 宏
HIROSHI YAMADA

文系出身でも臆せず、統計分析に取り組もう。

私たちの暮らしの中に存在する経済データ

私たちの暮らしの中には、経済に関係するデータがたくさんあります。よく耳にする「円高」、「円安」は、外国為替市場で我が国の通貨である円を他国の通貨(とりわけ米国の通貨ドル)に交換する際の価格(外国為替相場)に関するものです。2017年初夏には、求人数の求職者数に対する比率である有効求人倍率がバブル期のピークだった1990年7月のそれを上回ったことが話題になりました。有効求人倍率は、完全失業率とともに、我が国の労働市場の様子を表す代表的な指標で、厚生労働省から毎月発表されています。こうした経済に関係するデータの統計分析を扱う学問分野を計量経済学といいます。経済データの中でも、有効求人倍率のように、時間の経過とともに発表(観測)される経済データを経済時系列データといいます。私の専門は、そうした経済時系列データの分析です。

OECDの指標作成に関する改善法を考案

それではこの有効求人倍率を使って私の研究の一端を紹介しましょう。内閣府は有効求人倍率を含む10程度の経済指標から景気の今を表す指標(一致CI)を毎月作成・公表しています。こうした合成指標は内閣府に限らずパリに本部があるOECD(経済協力開発機構)も毎月作成・公表しています。私は、最近、OECDの合成指標作成に関する方法を改善した方法を考案しました。こうした研究の他、経済時系列分析の手法を発展させるための研究などを行っています。

文系出身の研究者も多い情報科学分野

情報科学分野の研究には、数学、コンピュータに関する能力が必須ですが、私自身、高校時代は文系コースに属していましたし、大学の学部も経済学部で、いわゆる理系学部ではありませんでした。私の周りにもそうした「文系出身」で計量経済学を専攻している研究者がたくさんいます。そんなに臆することはありません。私たちと一緒に、これまで知られていないことを明らかにする、従来の方法を改善する研究に取り組みませんか。


up