5年一貫教育プログラムの概要
一定の基準を満たす経済学部生を対象に、大学院教育を前倒しし、学部4年次(又は3·4年次)と大学院博士課程前期(人間社会科学研究科 人文社会科学専攻経済学プログラム)の教育を連携させることによって、博士課程前期を最短1年間で修了できるよう、4年間の学士課程と1年間の博士課程前期とを合わせた「学部·修士5年一貫教育プログラム」を実施しています。
学部4年次(又は3·4年次)に研究科の授業科目を15単位履修し、研究科進学後には、その単位を研究科の修了要件単位に含めることができます。飛び入学とは異なり、計5年間で、学士及び修士の両方の学位を取得できます。学部卒業後の進路の一つとして活用されています。

説明会及び出願(申請)について
5年一貫教育プログラムにかかる説明会を例年12月上旬に開催しています。
また、出願期間は例年12月下旬から1月上旬と6月下旬から7月上旬としています。
詳細は、在校生対象にMyもみじー学部・研究科掲示でお知らせしますので、興味がある方は掲示に留意してください。
5年一貫教育プログラム インタビュー
5年一貫教育プログラムに申請したきっかけは?
3年次になってすぐの頃は、就職希望で、自己分析やインターンシップに励んでいました。
そんな中、大学院進学の方向へ舵を取ったのは、就職活動の選考過程で、自分の「フツウさ」に愕然としたことがきっかけです。就職活動の中で、「志望動機」や「学生時代に力を入れたこと」を問われた時に、明確な目標なく経済学部に進学し、部活動を頑張っただけの自分に何か突出した価値があるのだろうかと感じたわけです。そんな時、ゼミで、5年一貫教育制度について説明を受けました。
人間社会科学研究科 人文社会科学専攻
経済学プログラム
小野 駿介さん(令和4年3月 修了)
5年一貫教育制度の要件は、学業成績で一定の基準をクリアする必要がありますが、努力すれば大抵の人がクリアできる基準となっています。また、この制度に合格したからと言って、必ずしも進学しなければならないわけでもありません。飛び入学と違い、4年の卒業時に学位も得られるので、進学してからの進路変更も可能です。つまり、申請することに何のデメリットもないのです。
私が所属する角谷ゼミは、学生の育成に力を入れており、研究をする上でのサポート体制がしっかりとしています。このゼミで、”データ分析を手法とする研究をしたい”、”「プラス1年」の先に、どんな未来が見えるのだろう”、”5年一貫教育でその「何か」を得られるんじゃないか” と、とても刺激的に感じ、5年一貫教育を申請することにしました。
4年次はどのように過ごしましたか?
4年次は、研究と大学院授業の履修(10単位)で忙しく過ごしましたが、3年次中に卒業要件単位のほとんどを修得したため、それほど負担ではありませんでした。ゼミの仲間も多くがこの制度を申請したため、ゼミ活動はより活発化し、大学院生との合同ゼミにも参加できました。大学院生は多国籍のため、議論は英語で行われます。3年次でTOEIC®は500点そこそこだったのですが、4年次の後期には810点まで向上しました。何とかディスカッションに食らいついていこうと、オンライン英会話プログラム(本学で無償で提供されていたもの)を利用しました。コロナ禍で一時、オンライン授業となりましたが、何度も何度も聞き直すことができたのは副産物でした。まだまだ、議論するスキルが足りないので、900点を超えるよう頑張っていきたいと思います。
4年次の研究成果は、医療経済学分野の学術誌に掲載されました。内容は、金融リテラシーや金融教育を通して、合理的な意思決定能力が向上することは、喫煙行動の削減につながる,という仮説を検証するものです(Financial Literacy, Financial Education, and Smoking Behavior : Evidence from Japan)
5年一貫教育プログラム修了後を見据えて
今後は就職するつもりです。一度休止していた就職活動を4年次の2月頃から始め、内定を得ました。3年次での就職活動と比較して、アドバンテージがあると感じます。一度経験したから、といった理由もあると思いますが、就職活動期間も短期集中、面接もロジカルに答えられました。何より、研究してきたという自負があります。選択肢も拡がりました。結果、3年次には考えてもみなかった企業に進むことになりました。驚きです。
通常2年間の博士課程前期は、年数的にも経済的にも負担がかかる一面がありますが、この5年一貫教育では、修業年限の短縮が図られ、なおかつ、研究を評価してもらえれば、経済的負担も少なくてすみます。ぜひ、大学院進学の道も検討していただきたいと思います。