肝臓移植手術を受けると、拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を飲む必要があります。ところが免疫抑制剤は、体の抵抗力を下げてしまうため感染症にかかりやすくなります。肝臓移植で用いるドナー(提供者)の肝臓内には、がんやウイルスを攻撃する力の強いナチュラルキラー(NK)細胞がたくさん含まれています。
そこで今回、広島大学病院は移植手術後の感染症を予防する目的で、ドナーの肝臓から回収したナチュラルキラー(NK)細胞を3日間培養して活性化させた後、移植患者に点滴注射をして免疫力を高める治療法の臨床研究について、11月18日厚生労働省の承認を得ました。
本院では肝がん再発を防止する目的で、このNK細胞を用いた手術後の免疫力を高める療法を2006年1月から臨床応用しております。
感染症予防を目的としたNK細胞を用いる療法の臨床応用は、国内で初めてです。
記者会見の模様(2015年11月24日)
会見する消化器・移植外科 大段教授(左)大平助教(右)
【お問い合わせ先】
広島大学病院消化器・移植外科
TEL:082-257-5220