広島大学人文社会科学系支援室(文学)
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2025年6月13日、大学院人間社会科学研究科人文学プログラムの藤原翔太准教授(西洋史学分野)の著書『ブリュメール18日 革命家たちの恐怖と欲望』(慶應義塾大学出版会)が第42回(2025年度)渋沢・クローデル賞奨励賞を受賞しました。
この賞は、日仏会館が創立60周年を迎えたのを機に、創立者の渋沢栄一とポール・クローデルを記念して1984年に創設されたものです。日本とフランス(及びフランス語圏)において、それぞれ相手国の文化に関してなされた若手の優れた研究成果に対して贈られます。

なお、この度の受賞は、2024年12月24日に受賞した第24回大佛次郎論壇賞に続く受賞となります。
■受賞した藤原准教授のコメント
この度、拙著『ブリュメール18日 革命家たちの恐怖と欲望』(慶應義塾大学出版会、2024年)に対し、日仏会館・読売新聞社より第42回(2025年度)渋沢・クローデル賞奨励賞をいただきました。同書はすでに昨年末、第24回大佛次郎論壇賞を受賞しており、大変ありがたいことにダブル受賞となりました。ナポレオンが権力の座に就いたブリュメール18日のクーデタを、軍人であるナポレオンが自らを支持する軍隊を率いて政権を転覆し、権力を我が物とした事件として捉えることはせず、フランス革命の成果を守るために彼を担ぎ上げた革命家たちに焦点を当てて描いた本作が、高く評価されていることを大変嬉しく感じています。今年の5月には新著『ポピュリスト・ナポレオン』(角川新書、2025年)を刊行し、ブリュメール18日以後、ナポレオンの独裁がいかにして可能になったのかを論じることができました。今後は改めて地方の視点から、フランス革命期からナポレオン時代にかけての歴史を見通す研究に取り組んでいきたいと考えています。