2025年7月3日、第29回日本がん分子標的治療学会において、本学大学院医系科学研究科(薬学分野)細胞分子生物学研究室の田原 栄俊 教授が、2024年度 JAMTTC 鶴尾 隆 賞を受賞しました。
田原教授は、マイクロRNA(miR-3140-3p)を活用した抗腫瘍核酸医薬の開発において革新的な研究成果を挙げました。特に、がん細胞における老化誘導マイクロRNAの欠失に着目し、これを補充することで「老化のスイッチ」を入れ、がん細胞の無限増殖性を抑制するという新しい治療コンセプト「Aging Switch」を提唱しました。
このアプローチは、難治性がんである悪性胸膜中皮腫を対象とした臨床試験(MIRX002)においても進展を見せており、がん治療の新たな可能性を切り開くものです。
田原教授の研究は、がん分子標的治療の分野において、基礎研究から臨床応用まで一貫した成果を挙げており、学術的・社会的意義が極めて高いものです。今後の研究発展により、がん治療の新たな地平を切り開くことが期待されています。

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