附属施設

薬用植物園
(園長) 高野 幹久 教授 (副園長) 山野 幸子 准教授

薬学部附属薬用植物園では、研究用に多様な薬用植物を栽培し、植物の成分分析など、広く薬用植物についての研究を行っています。
薬用植物とは、薬効を持つ植物全体を指します。普段、私たちが食物として摂取しているショウガやナツメなどにも薬効があり、漢方薬の処方の中に見られます。

■薬のルーツといえる薬用植物と漢方薬の世界

人間は、何千年も昔から植物を薬として使ってきました。そういう意味で、薬用植物は薬の原点ともいえます。その中で漢方薬は、薬草を中心に動物や鉱物などを調合したもので、漢方医療を支える薬です。漢方医療は、もともと中国に端を発し、日本、韓国で発達しました。「漢方」と呼ばれるようになったのは、江戸時代にオランダを通じて西洋医学が日本に入ってきてからです。

当時の日本は、オランダの学問のことを「蘭学」、それに関連した西洋医学のことを「蘭方」と呼んでいました。それに対して、中国から伝わり発達した当時の医療を「漢方」と呼ぶようになったのです。

■幅広い知識が求められる薬用植物学

現在、薬用植物学は、薬学的な部分を中心に、その守備範囲はとても広いものとなっています。

例えば、同じ薬用植物の種でも、自生している地域、気候条件、地質などによって、成分が異なってくる可能性があります。これを採取して分類する行為は、植物分類学的な要素といえます。さらに、その中からより多くの有効成分を含んだ種を選抜して栽培する農学的要素へと広がっていきます。

また、大量に採取することが可能な植物であれば問題ないのですが、場合によっては、クローンを作り、繁殖させる必要もあります。これにも遺伝子工学的な要素など、他の学問分野が絡んできます。また、薬用植物の中には麻薬成分を含むものもあり、その成分が身体の中でどのように作用するのかという検証を、法医学分野とともに進めることもあります。

薬用植物園で実物に触れ、その秘められたパワーを感じてください。


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