AI・データサイエンス応用基礎特定プログラム

数理・データサイエンス・AIを通して「DXの時代を生き抜く力」を高める

現在、私たちの社会は、デジタル・トランスフォーメーション(DX)により大転換が進んでいます。

急速に進化するデジタル社会の中では、「情報を正しく扱う」「データを効果的に扱う」ことを通じた課題解決力が求められており、そのための知識・スキルとして、近年「数理・データサイエンス・AI」に大きな関心が集まっています。

政府の「AI戦略2019」では、大学での「数理・データサイエンス・AI」について、次の2つのレベルの知識・スキルを身につけることが期待されています。

  • リテラシーレベル
    全ての大学・高専生(約50万人卒/年)が身につけるべき「デジタル社会の基礎知識」(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)
  • 応用基礎レベル
    一定規模の大学・高専生(約25万人卒/年)が、文理を問わず、数理・データサイエンス・AIを専門分野としない学生であっても習得することを目指す「自らの専門分野への数理・データサイエンス・AIの応用基礎力」

本学では、「リテラシーレベル」にあたる内容を教養教育科目(情報・データサイエンス科目)で学修します。

その上で「応用基礎レベル」として、データ分析やプログラミングなどの応用的な知識を広く学ぶ「AI・データサイエンス応用基礎特定プログラム」を開設しました。

この特定プログラムは、以下にも述べているとおり、単なるデータサイエンスの知識の習得だけでなく、それを自らの専門分野の研究に応用させることを目指しています。データを活用するスキルが直接には結び付かない(と思われる)分野であっても、その理論や考え方を学ぶことで、分析や考察に役立てることができるはずです。

さらに、研究における課題解決(実戦)を通じて、社会に出てからも、その知識やスキルを様々な分野に応用・活用できる人材が育成されること。それが「DXの時代」の中で「数理・データサイエンス・AI」が重要視されている理由の一つでもあります。

バックグラウンドとなる数学的知識を含め、学部を問わず、分かりやすく学修できるようにカリキュラムが構成されています。ぜひ、「AI・データサイエンス応用基礎特定プログラム」に登録して、新たな知見を広めてください。

このプログラムは、令和4年8月24日付けで文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」の認定を受けています。
(認定の有効期限:令和9年3月31日まで)

AI・データサイエンス応用基礎特定プログラムについて

※特定プログラム説明書については「到達目標型教育プログラム(HiPROSPECTS(R))」のページで確認してください。

概要

ICT(情報通信技術)の発展に伴いIoTやAIが様々な場面で活用されてきている。これらの技術を活用し、社会に出て直面するであろう様々な課題を解決するために必要とされる、AI・データサイエンスの基礎知識と実践力を身につけることを目的とする。これらの知識・応用力は理系・文系を問わず必要とされるものであり、文系の学生にも理解できるような内容としている。

教養科目開講の選択必修科目、AI・データイノベーション教育研究センター開講の必修科目を履修することで基礎的な知識を身につけ、その上で各学部指定の専門科目の授業の中でデータ分析を行うことで、受講者の専門分野の特性に合わせた実践力を身につけることができる。

到達目標

学生がそれぞれの学部で学ぶ教育内容を、本特定プログラムを履修することで補強し、卒業後に大きな付加価値となることを目指す。

  • データ駆動型社会においてデータサイエンスを学ぶことの意義を説明できる。
  • 分析目的に応じ、適切なデータ分析方法、データ可視化方法を選択できる。
  • データを収集・処理・蓄積するための技術の概要を理解する。
  • コンピュータでデータを扱うためのデータ表現の基礎を理解する。
  • AIのこれまでの変遷、各段階における代表的な成果物や技術背景を理解する。
  • 今後、AIが社会に受け入れられるために考慮すべき論点を理解する。
  • 自らの専門分野にAIを応用する際に求められるモラルや倫理について理解する。
  • 機械学習(教師あり学習、教師なし学習)、深層学習、強化学習の基本的な概念を理解する。
  • 複数のAI技術が組み合わされたAIサービス/システムの例を説明できる。

修了要件(カリキュラム)

教養教育科目「情報・データ科学入門」の単位修得をプログラム登録要件として、「数学基礎」「ゼロからはじめるプログラミング」から1科目1単位以上、「データサイエンス基礎」「データエンジニアリング基礎」「AI基礎」の3科目4単位を修得した上で、所属学部・学科等が指定する専門教育科目を履修し、「応用基礎レベル」の数理・データサイエンス・AIに関する知識を自らの専門分野に活用すること。

※このプログラムは1年次から履修を開始しますが、2年次前期をプログラムへの登録開始時期としますので、希望者は1月に登録申請を行ってください。

※プログラムを登録する前に修得した授業科目の単位を修了要件単位に算入することができます。

授業内容(概要)

情報・データ科学入門

[教養教育科目]
全ての科目受講の基礎となる、情報科学とデータサイエンスに関する基礎的知識・技能を学ぶ。

高度情報化社会の中でデータおよびコンピュータを活用していくのに必要となる基礎的な知識や技能を得る。さらに、有用性と問題点、情報倫理上の課題を検討した上でデータサイエンスと情報科学の知見を活用する能力を身につけ、将来、新しく現れる技術にも対応していく態度を育てる。

数学基礎

[AI・データイノベーション教育研究センター]
データサイエンスに必要な数学及び統計学の基礎的な知識・技術について学ぶ。

※特に文系の学生の履修を推奨します。

ゼロからはじめるプログラミング

[教養教育科目]
プログラミングの基礎を学び、コンピュータを活用する知識や技能を習得する。同時に、数理的な素養と論理的思考力を向上させる。プログラミング言語として、簡単でわかりやすく、データサイエンスやAIの分野で多く使用されているPythonを用いる。

データサイエンス基礎

[教養教育科目]
標本と母集団、確率分布や統計的手法などのデータサイエンスに関する初歩的な内容を理解し、 簡単なデータ分析が行えるようになる。

データエンジニアリング基礎

[AI・データイノベーション教育研究センター]
データエンジニアリングにおける基本概念を理解し、Pythonを用いたデータ処理に関するプログラミングを習得する。

AI基礎

[AI・データイノベーション教育研究センター]
機械学習(教師あり学習、教師なし学習)、深層学習、強化学習の基本的な概念を理解し、自然言語処理、ロボット制御、パターン認識への応用について学ぶ。

各学部から提供される専門教育科目

各学部指定の専門科目の授業の中でデータ分析を行うことで、受講者の専門分野の特性に合わせた実践力を身につける。

モデルカリキュラムとの対応

※各項目の学修内容の後の( )は、このプログラムで対応している科目を示しています。

1. データサイエンス基礎

1-1. データ駆動型社会とデータサイエンス
データ駆動型社会とデータサイエンスの関連性について学ぶ
(情報・データ科学入門、データサイエンス基礎)

1-2. 分析設計
データ分析の進め方およびデータ分析の設計方法を学ぶ
(データサイエンス基礎)

1-3. データ観察
収集したデータの観察方法を学ぶ
(データサイエンス基礎)

1-4. データ分析
典型的なデータ分析手法を学ぶ
(データサイエンス基礎)

1-5. データ可視化
典型的なデータ可視化手法を学ぶ
(データサイエンス基礎)

1-6. 数学基礎
データ・AI利活用に必要な確率統計、線形代数、微分積分の基礎を学ぶ
(数学基礎)

1-7. アルゴリズム
データ・AI利活用に必要なアルゴリズムの基礎を学ぶ
(ゼロから始めるプログラミング、データエンジニアリング基礎)

2. データエンジニアリング基礎

2-1. ビッグデータとデータエンジニアリング
ICT(情報通信技術)の進展とビッグデータについて学ぶ
(データエンジニアリング基礎)

2-2. データ表現
コンピュータでデータを扱うためのデータ表現の基礎を学ぶ
(データエンジニアリング基礎、ゼロから始めるプログラミング)

2-3. データ収集
Webサイトやエッジデバイスからのデータ収集方法を学ぶ
(データエンジニアリング基礎、データ科学)

2-4. データベース
データベースからのデータ抽出方法を学ぶ
(データエンジニアリング基礎)

2-5. データ加⼯
収集したデータの加工方法を学ぶ
(データエンジニアリング基礎)

2-6. ITセキュリティ
データ・AI利活用に必要なITセキュリティの基礎を学ぶ
(データエンジニアリング基礎、情報・データ科学入門)

2-7. プログラミング基礎
データ・AI利活用に必要なプログラミングの基礎を学ぶ
(データエンジニアリング基礎、ゼロから始めるプログラミング)

3. AI基礎

3-1. AIの歴史と応用分野
AIの歴史と活用領域の広がりについて学ぶ
(AI基礎)

3-2. AIと社会
AIが社会に受け入れられるために考慮すべき論点について学ぶ
(AI基礎)

3-3. 機械学習の基礎と展望
機械学習の基本的な概念と手法について学ぶ
(AI基礎)

3-4. 深層学習の基礎と展望
実世界で進む深層学習の応用と革新について学ぶ
(AI基礎)

3-5. 認識
人間の知的活動(認識)とAI技術について学ぶ
(AI基礎)

3-6. 予測・判断
人間の知的活動(予測・判断)とAI技術について学ぶ
(AI基礎)

3-7. 言語・知識
人間の知的活動(言語・知識)とAI技術について学ぶ
(AI基礎)

3-8. 身体・運動
人間の知的活動(身体・運動)とAI技術について学ぶ
(AI基礎)

3-9. AIの構築と運用
AIの構築と運用について学ぶ
(AI基礎)

実施体制・自己点検

このプログラムはAI・データイノベーション教育研究センターが開設し、同センターの「データサイエンス教育強化WG」を中心に担当教員会を構成して実施します。

担当教員会ではプログラムの企画・改善に関する検討を行い、自己点検・評価の結果を「年次報告書」として取りまとめ教育本部教務委員会へ提出します。教育本部教務委員会では、本学の到達目標型教育プログラム(HiPROSPECTS(R))を運営する立場からプログラムの検証・助言を行い、相互に密接な協力関係を構築しています。


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