数学は、人間の知的活動の最先端に位置する学問分野の一つです。
その長い歴史と伝統から見ても、数学は学問の中の学問ということが出来ます。そして数学は今もなお生き生きと発展し続けているのですが、それに伴って数学の有用性と重要性に対する社会の認識も深まっています。
自然科学ばかりだけでなく、工学でも医学でも、さらには社会科学・人文科学でも数学を必要とする時代が来たのです。数学が主役になって他の学問の発展に貢献しようという“数理科学”が脚光を浴びるようになったのは当然の成行きです。コンピュータ技術の進歩がこのような状況に一役買っている事は言うまでもありません。

大学における数学教育の目的は、現代数学の理論の基礎を学習して幅広い知識を習得すると同時に高度な論理性と弾力的な数学的思考力を身に付けた、社会の各方面で活躍することの出来る人材を育成することです。

広島大学理学部数学科は、このような目的を達成するために、研究・教育に実績を上げている有能なスタッフと、全国的にも有数の優れた設備（図書室・コンピュータシステムなど）を擁して、本当の数学にチャレンジしようという意欲に燃えた若者たちを心から歓迎し、数学を学ぶ喜びと誇りを分かちあいたいと切望しています。