本研究成果のポイント
〇大気圧熱プラズマジェットに反応性ガスを添加しエッチングに応用
〇ミリ秒加熱とエッチング反応の融合という新しいプロセスの実現
〇フォトレジストに対して毎秒84ミクロンの超高速エッチングを達成
概 要
先端半導体製造に於いて、ウエハ外周部のベベルに蓄積した絶縁膜、金属膜及びフォトレジスト等有機膜の除去が大きな課題となっている。こうしたベベル部の副生成物は後続の工程で剥離し、ウエハ上のデバイスエリアに再度付着して歩留まり低下を招く。フォトレジストのドライエッチング技術は長年研究されてきたが、ウエットエッチングの毎秒30ミクロンという高いエッチング速度を上回る事ができず、実用化の課題であった。そこで我々は熱プラズマに反応性を付与した反応性大気圧熱プラズマジェット(R-TPJ)の適用に着目した。アルゴンのDCアーク放電により発生した熱プラズマジェットに酸素添加したところ発光スペクトルから原子状酸素ラジカルの発生が確認され、有機物を分解する反応活性種が生成されていることが分かった。フォトレジストにR-TPJ照射を行ったところフォトレジスト膜厚減少が確認され、エッチング速度は放電電流の増加とともに指数関数的に増加した。R-TPJ照射中のフォトレジスト表面温度の計測を行ったところ、およそ5ミリ秒で200℃以上に加熱されており、その温度は放電電流とともに上昇することが分かった。すなわち反応活性種の供給と同時に表面加熱を行うことがエッチング速度の向上に大きく寄与していることが分かった。結果として毎秒84ミクロンの超高速エッチングを達成する事ができた。

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