本研究成果のポイント
〇 ナトリウムを利用した触媒およびケミカルルーピングプロセスによるアンモニア合成法を創出
〇 常圧-1.0MPa(10気圧)程度の水素、窒素からアンモニアを合成可能
〇 圧倒的な資源的優位性を有するナトリウムのみで構成される貴金属触媒フリーの技術を確立
〇 偏在する再生可能エネルギーの変換に利用できる小型分散型アンモニア合成技術としての展開に期待
概 要
アンモニア(NH3)は、再生可能エネルギーを効率的かつ低コストに貯蔵・輸送するためのキャリア、或いはCO2フリーの燃料として注目を集めている。現在、NH3の合成には、高温高圧条件で行われるハーバー・ボッシュ法が用いられているが、連続運転により大量合成を行うことでメリットが得られる技術である。従って、偏在する自然エネルギーの利用を考えた場合、より低温低圧条件で制御可能な小規模分散型のNH3合成技術が望ましく、このような技術が確立されれば、再生可能エネルギーの変動吸収や需要に対する供給の調整といったことが可能となる。
本研究では、ナトリウムを触媒、あるいはケミカルルーピングプロセスの反応体として利用したアンモニア合成技術に注目した。結果として、原子状の窒素を保持する中間体(Na-窒素固溶体)を介しNH3が合成されることが明らかになった。この技術では、常圧-1.0 MPa(10気圧)程度の圧力下で水素と窒素からアンモニアを合成可能であり、かつ貴金属等の触媒を必要としないため、再生可能エネルギーの利用を目的とした元素戦略的に優位な小規模分散型のアンモニア合成手法としての展開が期待される。
本研究成果は、学術的、実用的なインパクトが評価され、Q1ジャーナルである国際科学誌「International Journal of Hydrogen Energy」に掲載された。
論文情報
Koki Tsunematsu, Hiroki Miyaoka*, Keita Shinzato, Masakuni Yamaguchi, Hitoshi Saima, Takayuki Ichikawa Ammonia Synthesis via Catalytic and Chemical-looping Process mediated by Sodium-Nitrogen Solid Solution International Journal of Hydrogen Energy (2026) (IF: 8.3, Q1 journal) doi:10.1016/J.IJHYDENE.2024.02.379.

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