ツァイリンガー教授のノーベル物理学賞受賞に、本学関係者からも喜びの声が上がりました

2022年のノーベル物理学賞が、複数光子の量子もつれの生成、それを用いたベルの不等式の破れの検証、そして量子情報科学を開拓し基礎づけた業績により、オーストリアのアントン・ツァイリンガー(Anton Zeilinger)教授ら3人に決定しました。ツァイリンガー教授には、2003年、広島大学に量子情報生命科学国際プロジェクタセンター(時限)を設置する際、アドバイザーの就任をお願いしたことが縁で、本学大学院先進理工系科学研究科の飯沼昌隆助教、畠中憲之教授等との研究交流が始まり、今回の受賞を受けて喜びの声が上がりました。
飯沼助教は、ウィーン大学で今回の受賞に関係する「光子の量子もつれ」生成の研究に2カ月ほど従事しました。当時、世界の最先端技術を有するウィーン大学で実験技術を学んだ後、本学で光を用いた量子力学の基礎に関する研究や関連する量子情報科学の実験的研究を立ち上げました。このときの最初の成果となった研究は、ツァイリンガー教授との議論がきっかけでした。

2003年11月本学の先端総合研究棟での
ツァイリンガー教授の講演にて
(左端:飯沼昌隆助教、右端:畠中憲之教授)

また、畠中教授もウィーン大学で行った量子力学の基礎に関わる問題「何もない真空から光が生成される現象(動的カシミール効果)」に関する論文を、ツァイリンガー教授、早稲田大学栗原進教授(当時)とともに2011年に共同執筆しています。

12月10日のノーベル賞授賞式を前に、飯沼助教は「ツァイリンガー先生の受賞は大変嬉しい。本学での量子力学の基礎研究にも大きな刺激をいただいた」と語りました。また、畠中教授は「プロジェクトセンターでお世話になった先生が受賞して大変嬉しい。ツァイリンガー教授は、一貫して量子力学の基礎に関する研究に従事されています。広大でもこの分野に従事する学生が増えています。本学からのスパイスのある成果を期待したい」と話しています。

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