第108回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第122回広大ACEセミナー) を開催しました。

日時:2023年7月25日
会場:広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説:広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
 

 

 

講演  広島大学大学院先進理工系科学研究科 D3 タボン リタヌパツプ
「セルロース-リグニン-キシロース混合物の水熱炭化による生成物の処理時間の影響」

本研究では、セルロース、キシロース、リグニン混合物の水熱炭化下で生成する液体および固体生成物の処理時間の影響を理解し、熱水炭化生成物予測の将来の普遍的モデルを開発することを目的としています。本研究では、HTCから得られた成分、セルロース、ヘミセルロース(キシロース)、リグニンを種々の比率で280°Cで0時間、0.5時間、2時間混合したハイドロチャー生成物に着目しました。 この研究では、原料混合物間の相互作用が製品の収率と特性に影響を与えることが観察されたことの報告がありました。本研究は、科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップのため設立された、JSTの支援を受けて行われました(JPMJFS2129) 。

 

 

講演 広島大学大学院統合生命科学研究科 M1 上野 公士
「H2/CO2からの酢酸連続培養プロセスにおける酢酸生成菌Acetobacterium woodii の増殖停止機構の解明」

菌体灌流型発酵装置を作製、連続培養を行ったところ、新鮮な培地を供給しているにも関わらず、増殖が停止しました。発酵装置の培養上清(酢酸 290mM)を水で等量希釈したところ、希釈のみでも培養が回復したことから増殖阻害物質の蓄積が示唆されました。また中和剤としてNaOHを添加していたことから中和剤の影響を検証する実験を行ったところ、Na+を添加した系の比増殖速度が小さかったため、増殖阻害因子の1つであることが報告されました。

 

 

講演  広島大学大学院統合生命科学研究科 助教 冨永 淳
「光合成から学ぶスマート農業と炭素循環型社会」

私はこれまで農学的な観点で、光合成の機能解析や改良について研究してきました。その中で、作物生産を最適化する手段として、あらためて光合成に着目し、次世代のスマート農業技術となる新たな光合成測定技術を開発しています。また、沖縄でのバイオマス利用事業の経験から、中山間地域でのエネルギーと資源の自給自足に向け、バイオマスビレッジを構想しています。今回のセミナーでは、今動き出そうとしているプロジェクトについて紹介されました。

 

 

司会:広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦

【お問合せ先】

広島大学大学院先進理工系科学研究科 熱工学研究室内
中国地域バイオマス利用研究会
TEL : 082-424-5762 
FAX:082-422-7193 
E-mail : bprc * hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)


up