第111回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第130回広大ACEセミナー)を開催しました。

日時:2024年1月17日

プログラム

解説:広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
 


講演  広島大学大学院 先進理工系科学研究科 M2 劉 淼(Miao LIU)
「ピスタチオナッツ殻の水熱炭化における反応時間の影響」

ピスタチオナッツの殻は、有機廃棄物の豊富な供給源です。この資源を効率的に利用するために、我々は水熱炭化を利用しました。このプロセスでは、ピスタチオの実の殻をオートクレーブ内で水熱炭化にかけ、反応時間を変化させることによる収率と元素組成への影響を調べました。実験は、250℃と280℃の2種類の温度で、0分から120分の範囲で行いました。さらに、ハイドロ炭化物の特性を分析し、応用の可能性を探りました)。 


講演 広島大学工学部 B4 竹本光一
「グルコースの水熱炭化に及ぼす濃度の影響」

持続可能で、カーボンニュートラルな社会の実現のためにバイオマスの利用が求められています。バイオマスの変換技術の一つに水熱炭化があり、それは炭素を豊富に含んだ有用な固体を得ることを目的としています。本研究では、バッチ式の反応器を使用して0.5、1.0、1.5mol/Lのグルコース水溶液を原料として反応温度250℃、反応時間30分の条件で実験を行い、濃度がその反応特性に及ぼす影響を考察しました。 


講演 広島大学大学院 先進理工系科学研究科 M2 牧優貴
「高温高圧水中でのセルロース反応に対する昇温速度の影響」

超臨界水ガス化では昇温速度を上昇させることで炭素ガス化率を増加させることができます。これは固体生成物が生成される亜臨界域の時間が短くなるためです。一方で、短い加熱時間は原料の溶解を妨げ、ガス化を妨げます。そのため、昇温速度の影響を調べることは重要です。本研究では目標温度と流量を変えることで昇温速度を変え、超臨界水ガス化へ与える影響を確認しました。目標温度を高くすることは固体生成物へ与える影響はなく、ガス化を促進しました。 


講演 広島大学工学部 B4 山田耕輔
「グルコースの超臨界水ガス化における活性炭触媒の効果」

超臨界水ガス化における活性炭触媒の効果を、高速液体クロマトグラフィーを用いた生成物分析によって調べました。活性炭は水からいくつかの有機化合物を吸着することが知られています。 この吸着の影響と触媒効果を分けて議論する必要があります。 本研究では、グルコースの超臨界水ガス化を450℃、25MPaの連続反応器で活性炭触媒の有無にかかわらず実施し、その結果を活性炭の吸着特性と比較検討しました。 

司会:広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦

【お問い合わせ先】

広島大学大学院先進理工系科学研究科 熱工学研究室内
中国地域バイオマス利用研究会
TEL : 082-424-5762 
FAX:082-422-7193 
E-mail : bprc * hiroshima-u.ac.jp (注:*は半角@に置き換えてください)


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