【開催報告】国内4大学による富士通スモールリサーチラボ合同研究会を開催しました

多大学連携で広がる新たな産学連携の形

 広島大学大学院先進理工系科学研究科の中野浩嗣教授・伊藤靖朗教授らの研究チームと富士通株式会社が共同で運営する富士通次世代コンピューティング共同研究講座は、国内4大学 (広島大学、筑波大学、東京科学大学、神戸大学) の教員学生および企業研究者らによる「富士通スモールリサーチラボ合同研究会」を開催しました。各大学は当該共同研究講座と同様に、富士通株式会社が推進している組織的な産学連携の活動である「富士通スモールリサーチラボ」(以下富士通SRL) を展開しており、今回の取り組みは企業と大学という一対一の関係ではなく大学間における横のつながりも含めた産学連携を推進するものです。従来の産学連携を超え、複数大学による異分野の意見交換が活発化し、大学間の横連携による新たな研究テーマの可能性についても議論が深まりました。

HPC分野の幅広い研究紹介と活発な議論

 広島大学・富士通の双方から産学連携の部門リーダーによる開会の挨拶に始まり、午前中は各大学SRLの研究紹介が行われました。広島大学からは量子化学計算、神戸大学からはマテリアルズインフォマティクス、筑波大学からは高性能データ基盤、そして東京科学大学からはスーパーコンピューティング基盤と、HPC分野におけるアプリケーションから計算基盤まで幅広い共同研究内容が紹介されました。発表後の質疑応答では、アプリケーションの実行効率を最大化するための基盤技術や、計算システムの性能を引き出すためのデータ処理技術など、コンピューティング領域において密接に関係している双方の観点から議論が展開されました。

学生主体の研究発表セッション

 午後は共同研究に参画する学生による研究発表のセッションを実施しました。各大学の大学院生を中心として計10人の学生による発表に対して、参加者が分野の異なる研究内容にも理解を深めることで、新鮮な視点からのコメントが多く見受けられました。産学連携を主軸にした本研究会は、学生にとっては単なる発表経験の場というだけでなく、研究内容がどのような形で社会に役立っていくかを意識するという機会も提供することができました。

今後に向けて

 富士通次世代コンピューティング共同研究講座では、今後も組織的な産学連携を推進し、企業だけでなく大学間の横連携を強化しながら新たな研究テーマやイノベーションの創出に取り組んでまいります。企業研究者や大学教員・学生が積極的に交流できる環境づくりを進め、それぞれが刺激し合う共同研究を促進することで、次代を担う人材の育成にも貢献してきたいと考えております。
 

目 的

  • コンピューティング領域を主軸とした気軽な研究議論や意⾒交換ができる場を提供する
  • 企業との共同研究を推進するという⽴場で共通している各⼤学の懇親を深めることで、大学間における横のつながりを含めた産学連携の活動を拡げる

日 程

2025年10⽉10⽇ (⾦) 開催済み

場 所

  • オフライン:広島⼤学東広島キャンパスメディアセンター本館2階セミナー室
  • オンライン:Microsoft Teams会議

参 加

現地参加者37人
 広島⼤学/筑波⼤学/東京科学⼤学/神⼾⼤学/富⼠通株式会社

プログラム

  • 10:20–10:25 開会の挨拶 (広島⼤学 藤原志保 産学連携部⻑)
  • 10:25–10:30 開会の挨拶 (富⼠通株式会社 永井洋樹 産学連携推進室⻑)
  • 10:30–12:30 各SRLの研究紹介
     10:30–11:00 広島⼤学SRL
     11:00–11:30 神⼾⼤学SRL
     11:30–12:00 筑波⼤学SRL
     12:00–12:30 東京科学⼤学SRL
  • 12:30–13:30 昼⾷
  • 13:30–15:10 学⽣セッション (前半)
  • 15:10–15:30 休憩
  • 15:30–17:10 学⽣セッション (後半)
  • 17:10–17:15 クロージング
  • 17:30–19:30 懇親会
【お問い合わせ先】

辻 聡樹
広島⼤学⼤学院 先進理⼯系科学研究科/富士通株式会社 コンピューティング研究所
tsuji*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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