倫理学の探求

広大倫理学の特色

現代社会のニーズに応えるために、スタッフ全員が協力して応用倫理研究に取り組み、その成果を学会や研究会の場で公表するだけでなく、市民参加型の講演会、情報倫理に関する国際シンポジウム、国際社会倫理フォーラムなどを開催して、哲学的立場からの提言に努めています。

またこうした教育研究の一環として、「応用倫理学プロジェクト研究センター」を付設して国内外の研究者との交流もすすめており、質量ともにこの分野における先駆的な役割を担っていると自負しています。

その一方で、旧文理科大以来の輝かしい伝統を、古典研究や思想史研究の深化という形で次世代に伝えています。近年は世界各国に留学する学生も見られ、またアジア各国から留学生が訪れるようになって、国際化の波が一段と広がっています。

どのような人が倫理学に向いているか

伝統的倫理学、応用倫理学、あるいは倫理思想の歴史に向き合うにしても、倫理学は生活の営みのあらゆる領域に関わる学問です。同時に人と人、人ともの、人と環境といった具合に「関係」が重要な要素となっています。

したがって日常生活における人の行為、日々変化する社会の動き、科学技術の進展、世界の出来事等々に思いっきり好奇心をもてる人、また不当に抑圧される人々、事柄に対して、一つの社会で通用するようないわゆる「常識」で事の本質を判断するのではなく、そのような人々に共感し、思考し、想像力を働かせることの出来るセンスのある人が倫理学に向いていると言えるかもしれません。

現実の倫理を見つめ、倫理思想史をふまえた教育

環境・生命・情報・教育・宗教・平和等の現代の倫理的問題を「応用倫理学」として学ぶことをひとつの柱にしています。各教員が得意とする分野を分担して、教育倫理、生命倫理、情報倫理、研究倫理、ロボット倫理、宇宙倫理等をともに考えていきます。

他方、現代の倫理的難問の理解と解決には、それらを人類の精神史から深く反省する必要があり、また、これまでの本学部での倫理学研究の伝統に従って、東西の「倫理思想史」の教育にも力をいれています。「倫理学」一般に関わる原理的問題にも当然、注意を払っています。

演習では、ニーチェやシュタイナーのドイツ語原典やJ.S.ミルなどの英語原典を読んだり、現代の様々な倫理問題を議論しレポートを作成したりもしています。

卒業論文を書く

卒業するためには、卒業論文を提出しなければなりません。最近では、卒業論文を必要としない学部や大学もありますが、長い歴史を背負った文学部では、例外なく卒業論文を作成する必要があります。そのため、3年次に論文指導を担当する教員を選び、そのアドヴァイスを受けながら、論文執筆の準備をすることになります。

さまざまなテーマが選ばれますが、ここ数年の傾向としては、特定の倫理学者の思想に焦点を当てた論文と応用倫理的なテーマを掲げる論文とにほぼ大別され、しかも、世相を反映して、徐々に後者が多くなってきているようです。生命倫理、教育問題、社会的モラルなど、身近なテーマを取り上げる論文が少なくありません。

長江師範学院との学術・教育交流協定の調印式

▲長江師範学院との学術・教育交流協定の調印式

ゼミ集合写真

▲ゼミ集合写真

帝釈峡合宿

▲帝釈峡合宿


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