インド哲学・仏教学の探求

インド哲学・仏教学分野で何を学べるか

3000年以上に及ぶインド思想文化の歴史は、世界宗教としての仏教を生み出したばかりでなく、その歴史の中で紡がれた思想的営為の足跡は、人類の知的遺産として普遍的な価値を有しています。

わたしたちは、インド哲学・仏教学という二本の柱を軸に人間について考えることをめざしています。哲学・宗教・言語・文学・美学・政治学・社会学・天文学・数学・医学等の諸学問分野をカヴァーするインド学、インド仏教・チベット仏教を中心とした仏教学を学ぶことができます。

インド哲学・仏教学をどのように学ぶか

インド哲学・仏教学を学ぶために専門的授業科目が用意されています。

二年次ではインド哲学・仏教学の大要を入門科目・概説科目で学び、本分野の基礎言語であるサンスクリットの初級文法を基礎演習科目で学びます。

三年次・四年次の授業科目は演習科目・基礎文献演習科目・文献演習科目から構成されます。演習科目では詩聖カーリダーサ等の文学作品を注釈文献を利用しながら読み進め、原典読解の方法論を学びます。

基礎文献演習科目では『ウパニシャッド』や『マヌ法典』等インド学の基本文献を通じてインド思想文化の諸相を学び、『倶舎論』や『中論』等仏教学の基本文献を通じて仏教思想の諸相を学びます。また、インド仏教・チベット仏教を探求する上で必須の古典チベット語文法の基礎も学びます。

発展科目である文献演習科目では学生の関心に合わせてよりテーマを特化した文献を通じて、インド哲学、インド仏教・チベット仏教についての理解を深めます。

卒業論文で自己を表現する

卒業論文は、学問的主体性を最大限発揮できる場です。論文を書く営みは自己表現のための創造行為です。卒業論文の作成を通じてみなさんが目に見えない大きな人間力を獲得できることを確信しています。

ちなみにここ数年の卒業論文のテーマを挙げると、インド自然哲学、パーニニ文法学、インド数学、サンスクリット文学(カーリダーサ)、サンスクリット修辞学、叙事詩『ラーマーヤナ』、インド美術、インド女性論、インド社会制度論、ヒンドゥー教神学、ジャイナ教、初期仏教、仏教業思想、無我思想、菩薩思想、仏陀観、初期大乗経典、「空」の哲学、唯識思想、認識論・論理学、仏教文学等、実に多彩です。さらに、これに加えてチベット中観哲学、般若思想、チベット古典文学、詩論などをテーマとして選ぶこともできます。

わたしたちはみなさんが選んだテーマを尊重し、そのテーマ追求を支援します。

授業で学びを創造する

大学での授業はわたしたちからみなさんへの一方向的なものであってはなりません。授業はみなさんとともに創造するものです。

自己表現の場としての授業に積極的に参加するために、学生たちによる自主的な勉強会が盛んです。また授業への取り組みが容易となるように大学院生による個別指導も活発に行なわれています。

Facebookで情報を発信する

情報処理技術が発達した今日、インド哲学・仏教学においても巨大なテキストデータを用いた検索システムの活用や、電子媒体による情報交換が常識となっています。卒業論文の作成にあたっては、高度な文書作成を実現する組版ソフトLaTeXを活用します。また研究室の情報を常に公式Facebook(広島大学インド哲学・仏教学)で公開しています。

わたしたちの教室の特色をあげるとすれば、極めて高い国際性です。大学院生による国際学会での発表も積極的に行なわれています。わたしたちは、国際学会を主催したり、積極的に世界各国の研究者との交流を推進して、みなさんが世界の第一線の研究者と直に触れる機会を頻繁に設けています。

また、いままでカナダ・スイス・韓国・オーストリア・中国等から留学生を迎える一方、みなさんには外国留学の便宜を可能な限り図っており、これまで何人もの先輩が公的留学制度によってインド・ドイツなどへの留学を果たしています。また語学研修のために英国・ドイツ等へ短期留学する学生も数多くいます。

東チベット僧院

▲東チベット僧院(レプゴン)

ガンジス河

▲ガンジス河

ガネーシャ寺院(プネ−)

▲ガネーシャ寺院(プネ−)


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